個性は発揮するものではない

なんだか
最近
いやここ二十年くらいでしょうか
もっとですかね
個性を生かせ
個性を大事にだとか
私から見れば
訳の分からない話が
もてはやされるようになりました。

個性って
もう黙っていても
個人個人が持っています
人それぞれ違う
それが個性で
個性なんて発揮するもんではないです。

例えば
ピカソは
自分の個性を発揮しようと思って
キュービズムに行き着いたのか？
これは
他の人と違う、自分の個性だと
思って
あれをやっていたのか？
それは全く違うと思います。

自分が感じだことを
自分が好きなように表現したら
ああなった
つまり
パブロピカソの個性になったんです。

個性を
発揮しよう
奇をてらって
人と違うことをして目立とう……
そういうのは
芸術家でもなんでもなく
個性でもないです。

個性というのはもう自然に備わっていて
その人がその人らしく
自分でしっかり生きていけば
自然に現れてくるものなのです

最近はSNS等で自分発信社会になりました
昔は役者や限られた人が
「個性を発揮」していたのですが
今の時代
大衆が個性を「発揮」するようになりました。
こういうキャラならウケル
こういう風に思われたい

私からみれば
本当におぞましい限りです。

「自分探し」なんていう言葉が
流行った時期もありました
いまでも
自分探しをしてる方がいるかも
知れません

やめた方がいいです
絶対に自分で自分は見つからないので
（笑）
考えてみれば凄く簡単なことです
ラッセルのパラドックスを
思い浮かべる方もいるかと思いますが
それに近い話であります。

私なりに別の角度から
説明すると
自分を探していて
どこかに理想の自分が
見つかったとします。
でも
その自分、誰に理解してもらえるで
しょうか？
Aという自分を自分が自分だと思っても
そのAを他の人が見たとき
人によってBだと思ったり
他の人はCだと思ったり……
しますよね
当たり前ですが
自分が思ってる自分を
そうだと100％思ってくれる人はいません
他人から
どう見えるか、が
その人の個性であり自分なので
それを自分が探すことなどできないのです。

時間の無駄です。

これは原理的に不可能なのです。

もし
自分探しの結果自分が見つかったと
思ってる人がいたら
それはそれでおめでたい人で
正に「個性的な」人なのだと思います（笑）