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エネルギー問題について~後編~ [雑感]

今日は日曜日ですが朝から授業があります。
急に私都合でお休みせざるを得なかった分の振り替えです。
そんなときに結構重い内容のブログを前日に書いてしまって
後悔しています(笑)
明日に続く、なんて書かなければ良かったです[がく~(落胆した顔)]
今日は朝からだるいで~すくらいの内容ならば
書くのに10分とかからないのですが(笑)
まあ、なるべく短時間で書きます。
それでは昨日の続きです。

反原発の方々もそうでない方々も
今のような化石燃料に頼りっきりのエネルギーの
ポートフォリオは非常に危険であることは
見解の一致するところではないでしょうか。
原油の値段が高騰すれば日本経済は大打撃を受けますし
石油輸出国との関係が悪化して
足元をみられて輸出を止められれば
大変なエネルギー不足になりますし
太平洋戦争のように戦争に突入する可能性さえあります。

そこで反原発の方が掲げるのは
自然エネルギーの充実です。
特に太陽光発電はその急先鋒です。
太陽光パネルを日本全国に設置すれば
日本のエネルギーの数十%を賄える。
しかもクリーンである。今はコストが高いが
大量に売れるようになればコストダウンも図れる
いいことづくめのエネルギーだと謳っています。
なんだか原発導入時の夢のエネルギー話に似ています。
うまい話には裏があります。
太陽光発電というのはそんなに簡単ではなく
主力エネルギーには成りえないと私は思います。
それはよく言われる
天気の悪い日、または太陽の角度で
がくっと発電量が落ちたり、夜は発電できないという
一般の方が指摘するよう問題もあるのですが
それ以上に根本的な大問題があるからです。

それは太陽光パネルには
必須のインジウム、ゲルマニウム、テルル
セレン、ガリウムといった所謂レアアースの資源の問題です。
レアアースとは名前のごとく地球にはあまり多くない物質です。
したがって大量に、日本の発電量の数十パーセントをも占めるだけの
太陽光パネルを作った場合、レアアースはさらに足りなくなり
パネルの値段は確実に上がるのです。
大量に作れば安くなるというレトリックは資源がほぼ無限のもの
例えばシリコン等に当て嵌まる話で当然ながらレアアースのような
稀少性が高いものには当て嵌まりません。
その疑問に関して太陽光発電を進める方々は
今のペースでレアアースを
使っても2050年までは大丈夫だと言っています。
今のペースのまま使ったら
太陽光発電はそんなに普及しないんじゃないでしょうか?
更にレアアースを世界の三分の一もの埋蔵量持つ
中国から圧力をかけられた場合はどうするのでしょうか?
先日もレアアースの輸出を止めるだの止めないだので脅されたばかりです。
ある国に原料の輸入を依存せざるを得ないエネルギーを
国の主要なエネルギーにすることは相手に弱みを曝すようなものなのです。
昨年日本の海底には沢山のレアアースがあることが発表されましたが
それが果して利用可能であるかどうか、現在のところ微妙なんです。
レアアースが必要である限りにおいて、
太陽光発電は無限のクリーンエネルギーなどではなく、
有限の足元のおぼつかないエネルギーなのです。
勿論、太陽光発電も個人宅レベルでどんどん使うのは賛成です。
しかし、それで日本の電気を賄えるようになる時代はこないと思います。

様々なエネルギー源には様々なリスクや長所短所があります。
よくヨーロッパはどうだとか、アメリカはどうだとか
世界の資源大国を例に挙げてエネルギーのポートフォリオを語る方が
おりますが、当然ながら資源の埋蔵量のほとんどない日本と
それらの国を比べてもどうしようもありません。
その中で資源のない日本が取るべき道というのは
あるエネルギーに依存するのではなく、なるべくバランス良く様々な
エネルギーを持つようにするということだと思います。
そうすれば、ある一つや二つのエネルギーに何かしらの問題が起きても
大きな影響はでなくて済むと思います。
原発もその中の一つとしてある程度残すべきです。

これは研究の面からも非常にプラスです。
様々なエネルギーを10%くらいずつバランス良くもつことは
研究、産業の多様性という面からも大きなプラスです。
例えば原発や太陽光発電を研究して
より安全より効率の良いものにしていくために
研究を続ければ必ず副産物として
私たちに役に立つ発見なり発明があるのです。
エネルギーをバランスよくもてば、その研究も多様なものになり
活性化して思わぬ新エネルギーが開発される可能性もあります。
原発も太陽光も捨ててしまうには惜しい技術なのです。

事故が起きたから悪いから完全にやめろというのは暴論です。
つい先日も75歳の北海道の女性が車の運転操作ミスで高校生一人
20代の若者二人合計三人を引き殺してしまいました。
また事故後二日以内に亡くなった交通事故死者は
随分減りましたが一年で5000人近くはいます。
年間5000人近くがほぼ即死するというのはかなりのリスクだと思うのです。
私もいつ交通事故で死ぬか分からない高いリスクです。
それでも車は危険だから廃止しろという意見はまずでてきません。
それは車の利便性と日本の基幹産業であるからです。

原発の技術も研究することによって
実は様々な発見やプラス面もあるのです。
日本は被爆国で確かに原子力爆弾や放射能という言葉に
敏感で原発を生理的に受け付けない人がいるのもわかります。
政治的に杜撰な対応で事故も起きました。
補助電源を防水にしておくだけで
あんなに大きな問題にならなかった
ものを怠慢で大変な事故になってしまったのです。
その後の政治的対応も極めてお粗末ですが
その政治的な問題を科学の問題と混同してほしくないというのが
私の願いです。私も基本的には原発は減らしていったほうがいいとは
思います。しかし。これは科学の問題ではなく政治の問題のせいでです。
(狡猾な政治家はこれは東電の問題だと責任を転嫁するのでしょうが
電力会社の成り立ち、原発導入の経緯から国に責任がないはずは
はなく、むしろその大半は国にあります。)
小学生以下の野次が飛び交う
人の話もまともに聞けない
大人が議員バッジをつけている日本の政治に
原発をしっかりとコントロールしていく力があるかと言うと
それはNoだということが福島の事故で証明されてしまったからです。
しかし、完全に無くすのはやめた方がいいですし
原子力を研究したいという子供を頭ごなしに否定するのもやめてほしいです。
様々な副産物が生まれる可能性がある分野なのです。
この研究を捨てずに
全体としてバランスの取れたエネルギーを目指して
前に進むべきだと思うのです。


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