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プロ家庭教師のお仕事 [家庭教師のお仕事]

私は先日まで様々なリスク管理の例について書いてきましたが
何故個人のリスク管理能力が必要かといえば
世の中に完全な安心、安全はないからです。

どんなものにもリスクがあります。
ただ、これから全てが専門化していく中で
そのリスク管理がおかしな方向に進む可能性があります。

たとえば今
危険因子がA,B,C,D,Eと五つあるとしましょう。
それぞれは危険です。
ですから仮にその分野分野の専門家がいれば
Aの専門家ならAの危険性をたっぷり強調します。
同様に各分野の専門家は各分野の危険性をそれぞれ
強調するんです。
そうすると受け手の我々は
結局どれが一番危険なのかが分からなくなります。
専門家の方は全体のバランスを考えた上で発言するという
ことはありません。
ですから非常にアンバランスなリスク管理になってしまいます。
結局、リスク管理は個人その生き方に合わせて
何が危険かを一人一人が決めるしかありません。
交通事故のリスクはあっても私は車を運転するとか
放射性物質は極力避けるとか
それぞれが人生全体のバランスを考えて決めればいいことだと思います。
ただ、その判断をする際に
しっかりと情報を得て、それに対して自分はどう考えるかが大切です。

リスク管理は家庭教師の仕事と非常に似ています。
数学の先生は数学が出来るようになってほしいので
数学の宿題を沢山だします。
英語の先生は英語が出来るようになってほしいので
英語の宿題を沢山だします
他の科目も同様です。

各科目の先生はその生徒の全体の現状を把握していません。
ですから、全体のバランスを考えずに
自分の科目をどんどん押します。
自分の科目の成績が上がれば
自分の評価も上がるからです。

ところが合否は総合点で決まります。
総合点を上げるためには、その生徒になにが必要で
なにが不必要か
そういうバランスを考えて勉強のプランを立てないと意味がありません。
それは個々の科目の先生には無理です。
ですから私はその生徒一人一人の全体のバランスを見ることのできる
家庭教師を仕事に選んだのです。
生徒が塾や学校等で勉強してきて好きな科目得意科目ばかり
勉強しそうになっても
私が自分の授業でしっかりとバランスを整えることができます。

楽か楽じゃないかでいえば
予備校で毎年同じ内容を一科目だけ教えていた方がずっと楽です。
でも、それでは何か大切なことを見逃しているような気がするんです。
幸いにも私にはほとんどの科目をみるスキルがあります。
これを活かさない手はないと思ったのです。
それで、生徒全体の現状を見ながら
指導する科目のバランスを考えながら
仕事をしていくプロ家庭教師の道を選びました。

生徒一人一人と接していると
毎回様々な変化を見せます。
その変化に合わせて必要な部分はしっかりと埋めて
逆に不必要な部分はざっくり切るような勇気が必要な
場合もあります。

生徒の全体を見て
どうすれば合格する確率が上がるか
どの科目を重点的にやれば効率よく
入試本番までに総合点があがるか
常に様々なことを考えて対策を打たなければなりません。
一人一人の生徒は現在の実力も志望校も
性格も得意科目も得意な考え方も全て異なる
マニュアルのない世界です。
個々人のリスク管理と全く同じです。

勿論責任も大きいです。
数学しか教えていなければ
「数学はできたけど他の科目が悪かったので仕方なかったね」
などと言い逃れをすることもできるのかも知れませんが
基本的にほとんどの科目を教えている私にはそんな逃げ道はありません。

受験に失敗した生徒や親御さんは皆さん
生徒自身の力が足りなかったから仕方がないというような
言葉をかけてくださります。
でも私はそのように考えたことは一切ありません。
不合格になった多くの責任は私にあります。
私が様々な要素の中から正解を見つけ出せなかったのだと思います。

私の力が足りないせいか
現在のところ五人に一人は第一志望に落ちてしまいます。
今年は生徒が優秀で全員第一志望に合格できましたが
例年は一人くらいは第一志望に合格できませんので
何かしらの後悔が残ります。
本当にこの仕事をやめたくなるくらいに凹むこともあります。

でも幸いなことに
私は生徒に恵まれています。
そんな生徒に背中を押されて
今日も楽しく仕事をさせてもらっています。
本当にありがたいことです。
この感謝の気持ちが持ちづづけられるうちは
様々なことがあっても
頑張ってプロ家庭教師でありたいと
私は思うのです。
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