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問題が解けるということ [家庭教師のお仕事]

問題が解けるということ
はどういうことであるか?
これが
私の仕事の最大のテーマと
言ってもいいです。

ある問題があったときに
解ける生徒と
解けない生徒がいる
その差はなんなのか?
どうしたら解けるようになるのか?

その問と
闘い続けた20数年だと
言っても過言ではないくらい
私の仕事において
このことはメインテーマなのです。

私は以前生徒の解き方を
見る、診るみたいな
ことを書いていた
時期があると思います。

ただ
これは私に大きな誤解があったな、と
ここ数年生徒の問題の解き方
出した答えを見て思うのです。

どういう風に考えるか
思考を追えるということは
どういうことか?
それはその時点で生徒が
筋道を立てて
しっかり
まずこの方針で問題を解いて
無理ならばこの方針で
みたいに
解いている場合だけなんです。
実際は。

私は以前は
言わば世間知らずというか
生徒はそういう風に基本
考えているものだということを
前提に
どういう思考を働かせているか
その筋道をどのように直せば
いいのか
を必死に考えていたんです。

ただ
家庭教師を
15年くらいやってきたときに
色々、この方法について
疑問を自分で感じ始めたんです。
それは
私が教えてる生徒が
特別なのかそうでないのかは
分かりませんが
人間
そんなにそもそも筋道を立てて
物事を考えて無い
ランダムな思いつきみたいなのが
浮かんでは消え
浮かんでは消えながら
ああでもない、こうでもないと解く。
つまり
問題に対して
戦略的にアプローチしていない
それが
むしろ普通なんだということです。

言わば
思考の筋道など
大半の生徒では
勉強が出来ないうちは
特に
存在しないんです。

その存在しないものを
仮定して
私は自分なりに問題を
つまり「生徒が問題が解けるということ」
に挑んでいたんです。

それに五、六年前に気がついて
色々と
アプローチを変えたんです。

それはまず
問題というものが
どういうものであるか?
問題を解くということ
これは入試においてですが
はどういうことなのかを
生徒と授業の中で一定の
consensusを見つけて
すりあわせをする。
それに対してどう
アプローチするかを
生徒と話し合う

こういう一つの
言わば例を
生徒に見せることで
おかしな、つまり
筋道の立たない
考え方をする
生徒は減りました。
また教えていて
その思考過程、筋道が
しっかりできて
解答に生徒が至っている時は
大きな手応えを感じるんです。

その問題が解けたか
解けなかった以上に。

ただ難しいのは
1回できたからと言って
常にできるわけでもない
ということです。

これは問題が解けるとか
そういうものではなく
私が教えてきた アプローチ自体を生徒が忘れてしまう
元の生徒なりの自然流の解き方に
自宅学習の中で
勝手にもどるということが
起きるんです[もうやだ~(悲しい顔)]

これは一体どういうことでしょうか……
親和性みたいなものですかね
やっぱり自分の今までやってきた
癖というのは抜けにくいのでしょうか。

自分で
思うがままに考えた方が
問題集を解くときはできる
それでいいと思ってしまう。
そういう練習を自分でして
また
ふりだしに戻ってしまう
のでしょうか……

数学に限らず
受験科目というのは
「考え方」がある意味
よく似ています。
国語に近いです。
ですから
その考え方自体をしっかり身につければ
自ずとそれに+α努力をして
知識をいれるなり諸々をしていくと
良くなっていくのです。

はじめから
これが出来てる生徒はもれなく
成績はいいです。

ですから
私が思考の流れを追ってきたのは
ある意味
間違えた方法であって
そもそもの流れ自体が存在しない
私の思い描いた
偶像、モデルの中での話であって
それが
おそらく偶然上手く機能していたので
この方法で続けてきたのだと思います。

ただ
ニュートン力学みたいなもので
なんとなく
齟齬がでてくるわけです。
生徒の成績の伸びが悪くなる。
思考の流れを追って
それをこう直すように
言っても直らない。

それは私がこの
「生徒が問題を解ける」ということを
間違えて解釈していたのだということが
ここ五六年で分かりました。

今はもう違った方法で
やっています。

昨年の東大理三に合格した生徒も
京大医学部に合格した生徒もそうですが
特に理三の生徒は
根本的に問題の捉え方が間違えてるので
それを徹底的に直しました。

そうしたら
自分で筋道を立てて
数学や理科でどんどん自分で
最後の答えまで
完答できるようになっていったのです。

この全ての問題を
完答できるかどうか
これが一つのバロメータにはなります。
なぜなら
入試問題というのは
そのようにしっかり考えられた人は
完答できるように出来ているからです。
(勿論そうではない……悪問も沢山
ありますが)


私は今年の生徒もそうですが
新しく
生徒が問題が解けるということ
という
至上命題に挑んでおります。

昨年は昨年でうまくいきましたが
もっと掘れば
でてきそうな気はするのです。
もしかしたら
答えがない
不完全性定理に
抵触するような問題
なのかも知れませんが。

これがプロ家庭教師をやっている間の
私の最大の研究テーマです。
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予備校講師

物理屋さん…
凄すぎます
自分はそんなことまで
考えたことはないです。
いかにわかりやすく
覚えやすく教えるか
それだけを
やってきた気がしますし
これからも自分の能力だと
そうするしかないです。
by 予備校講師 (2023-04-06 00:15) 

東大理3生

自分の考え方を
先生が知った時…絶望で
先生の
顔が歪んだのを
昨日のことのように思い出します。
本当に感謝です!
大袈裟でなく
先生に出会えて人生が変わりました!
by 東大理3生 (2023-04-06 00:21) 

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