SSブログ

駿台構文主義(前編) [英語学習]

最初に断っておきますが……
私は自分が学生時代、世に言う受験勉強なるものを
ほとんどやったことがありません。
野球部の練習を一生懸命しながら
自分の超弦理論だとか諸々研究に必要な勉強をやっているうちに
勝手に試験範囲が終わったというか……それで東大模試を受けたら
全国2位だったので、する必要がなくなったといいましょうか[たらーっ(汗)]
学校から実績に貢献しろ、理三受けろ理三受けろとことあるごとに言われて
反抗しなければいけないことが多くなったくらいで
これって私が生徒に第一志望に受かれ!というのと同じですかね
もしかして(笑)

現代文の問題集とか解いたことはないですし
試験本番でやる量が勉強の全てみたいな……
センター試験は当日初めて受けました。マーク式なのはぼんやりと知ってましたが
選択問題なのをしらずに数学は全部解き
世の中のみんなは計算速いんだなあ……と思っていたくらいで(笑)
マークする時に気がつきましたが。

そんな私が受験について語るときは
全部働いてからのお話です。
もしくは私のプロ家庭教師人生の後半で
生徒で鉄緑ではこういう風にやってるよ、とか聞いて
得られた知識だけです。

私は駿台で医学部英語を教えなければならなくて
(生きるためにですが)
そこで初めて予備校や世の中がどうやって英語を教えているのか
に触れるわけです。オオカミに育てられた子供が初めて文明に触れる
ようなものです。
そこで見たもの……は
非常に恐ろしかったです。

当時、駿台、河合、代ゼミ三大予備校拮抗の時代で
(駿台が1番経営状態が危なかったです)
東進は永瀬さんでしたっけ、創業者の方と知り合いで
何回か教えに行ったことがありますが
ほとんど無名の小さな予備校で「今でしょ」の影も形も
なかったです。後に効率化革命みたいな衛星授業もなかったです。
駿台とか代ゼミが衛星で少しやっていたと思いますが。
東進みたいに録画してそれを繰り返し流すみたいな
儲かる方法ではなく、純粋に予備校の授業をon timeで他の校舎で
受けられるというものです。
今や天下の鉄緑会は私の野球部の先輩等が講師をしていましたが
理三文一限定の南新宿の飲み屋の隣の地下みたいな一室でしか
ありませんが……あの飲み屋の鉄緑がこんなに大きくなるとは(笑)
学生時代よく鉄緑を馬鹿にしている話を聞きました。
講師の声より隣から聞こえてくる酔っ払いの声の方が大きいって(笑)
あとは私も物理を教えてたことがありますが
SEG全盛から内部分裂で少し陰りが見えてた頃でした。
ガーシー風に暴露すれば
コメント欄の「無駄は貴方」さんはSEG時代の上司と言うか
そう思ったことは一度もないですが(笑)知り合いです。

そんな駿台英語科で
どんな世界でも昔は良かった的なノスタルジーに浸るものですが
駿台が予備校界のトップに君臨していたころ
駿台にあらずんば人にあらず的な時代の話を
よく聞かされたんです。駿台、河合塾、代ゼミの三国時代になったにも
関わらず、漢王朝の復興を願っている訳です(笑)

その駿台英語科のレジェンド的2大スターに
伊藤和夫さん、「英文解釈教室」などが有名で英語の予備校指導の
根幹を作った方のようです。会ったことはありません。
その本を読めば分かりますが
元々はOnionsという英語学者が確立した5文型を元に文章を細かく構文で
分析していく、という方法を英語受験にもたらした方で
その時代は猫も杓子も、SVOCや節だとか諸々を細かく分析してやっていました。
その後の予備校界もこれに習って
猫も杓子も同じように……やっていました。
私は高校の授業が不覚にも耳に入ってきたとき(笑)
英文法は学校でそのような感じで教えられてましたし
今も問題集とか諸々を見てみるとそういう感じで教えてる人も
結構います。
長くなるので(後編)で書きますが
ぶっちゃけ、この方法で英語は出来るようにはなりません(笑)
まあ、それは実証されてるといか
昔の莫大な数の伊藤和夫系信者の英語の授業を受けた方々で
英語がちゃんと出来るようになってる人が非常に少ないという(笑)
そのせいでここ20年とか英語教育に力をいれなきゃ
英語が日本人はできるようにならないんだ、言われてるので。
これが役に立ってない、私から見れば当然ですが(笑)。
(後編)で理由も書きますが
理論としては面白い部分もありますが、英語ではないんです。
そして現在も予備校では駿台を中心として
こういう方法で教えている方も一定数おられます。

話は長くなりましたがレジェンドの二人目は
奥井潔先生ですね。
私は奥井先生にはお会いしたことが何度かあります。
色々私に大学の仕事を斡旋してくれたりだとか
食事に連れて行って頂いたことも数回あります。
神風特攻隊で三度特攻に行って3回目の時に終戦を迎えた
というお話をされてました。
奥井先生の教え方は非常にレベルが高いですし
ガーシー風にぶっちゃけますと
伊藤和夫さんより奥井先生の方が総合的に英語が
できると思います。
文学作品とかの翻訳も素晴らしかったですし。
ただこちらはこちらで、学生にはわかりにくい……(笑)
私は面白いですが。
見学に行かせてもらったことがあるんです授業を。
どういう授業かと言えば
伊藤和夫さんのような構文分析はほとんどしません。
テキストも英語の文学作品です。
入試問題ではないです、問題もついてなかった。
結構古い英語も入った普通に大学でやるような文章です。
小説家、哲学者が書いた英語です。
私にはデカルトが好きだと仰っていました。
その学生にとってはかなり難解な文章を
これは英語というより日本語で書いてあっても文章として
難しいという意味ですが
奥井先生は黒板にほぼ文字を書かず
教室中歩き回りながら頭から即興で「できすぎた翻訳」を
お話ししていくんです。
いやいや……こんな訳学生はできんだろ!みたいな
でも授業は雑談が多くて、英文学の授業としては面白いし知的です。
この奥井先生も上記の方法で非常に人気がありました。
おそらく……
まあ、私は晩年の頃に少しお会いして授業を見せてもらったのも
1回なので奥井先生がずっとこうやられて教えてこられたのかは知りませんが。
ある程度人気がでて地位が確立したから、好き勝手なあまり受験的ではない
授業をしていても駿台から許されてたのかもしれませんし。
私はかなりのおじいちゃんになってからの奥井先生しか知りません。
私も趣味で沢山、英文学は読んでいたので
結構話があったんです。物理学が哲学を拓いてきた部分はあるので。
それで食事にも連れて行ってもらったんだと思います。
当時は私は体調が悪すぎて、めまいがひどくて
今は腰痛で10分と継続して座ってられませんが
その逆で継続して立っていられませんでした……
ですから食事に誘われても、今考えると大変失礼なお話ですが(笑)
うざいなこのおじいさんくらいにしか思ってませんでしたが
色々書かれている本を読むと非常に英語への造詣が深いことがわかります。
東大でも講師をしたり、他の大学でも仕事をされていたと思います。
無論、伊藤和夫さんはそういう場所には呼ばれません。
ただ伊藤さんの構文主義の方が凄く人気があったらしいです。
「どれだけ生徒が集まったか伝説」みたいなものを先方から
教務室で聞かされました。
ほとんど内容は聞いておりませんが(笑)
あ、無視してた訳ではなくて具合が悪かったんですが。

(後編に続く)


nice!(3)  コメント(11) 

nice! 3

コメント 11

智紀

ブッチー先生の歴史と共に
予備校界の歴史の一端が見れて楽しい
後編も楽しみ
by 智紀 (2022-03-17 05:27) 

Mizu

ブッチさん
ガーシー知ってるんだww
by Mizu (2022-03-17 05:28) 

青森三沢

ブッチーさんの喩えが
わすは好き
ブッチーさん
健康には気をつけてな
心配してます
by 青森三沢 (2022-03-17 05:29) 

遠い昔の受験生

伊藤和夫バリバリの全盛期の受験生です
本当に昔、あの人気は凄かった
みんな授業が取れなくて
立ち見も沢山いたし
懐かしい

な、なんとあの方法がだめだったとは…
後編が楽しみです
実際私は受験問題は解けるが英語は出来るようになってないが
by 遠い昔の受験生 (2022-03-17 05:34) 

F好き女子

ブッチーさんが
嫌々教え始めた
医学部英語でも色々な出会いがあったんですね
人生って不思議
by F好き女子 (2022-03-17 05:35) 

小林

コメント民が言ってる
ブッチー情報
同級生の方とか
無駄は貴方さんとか
あってるんだねw
記事で初めて見たけど
コメント欄から知ってたわ
by 小林 (2022-03-17 05:40) 

圭太

最近読み始めたました
今の時代にブログかよ
と思いながら
面白いので
ツイッターでは無理ですね
こういう話は
by 圭太 (2022-03-17 05:43) 

無駄は貴方

ん?
by 無駄は貴方 (2022-03-17 05:43) 

お名前(必須)

よくこのブログ2008年から
毎日更新続けられてますね
人生色々あるだろうに
その物理屋さんの継続力が
1番の信頼の証というか
普通できないですよ
こんな長い間
日記でも書けない
しかも一つ一つの記事が長い
by お名前(必須) (2022-03-17 05:46) 

お名前(必須)

すごく面白かったです!
by お名前(必須) (2022-03-17 08:20) 

ピコマロ

なんや
ネタの宝石箱や〜

ブッチはん
ネタを文章に散りばめるの上手いわ
by ピコマロ (2022-03-17 08:21) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。