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イモガイ [科学ネタ]

イモガイって
面白いですね。

ご存知ない方は
ググって頂ければ分かりますが
イモガイには
実に300種以上の毒物があります。

毒=薬みたいなもの
なので
このイモガイを研究することによって
沢山の新しい薬の開発ができますし
試みられて、実用化もされています。

イモガイの中に「ヤキイモ」(笑)という
貝がいますが
そこから作られたジコタノイドは
モルヒネの1000倍の鎮痛作用があります。

研究者にとっては宝箱みたいな貝です。

私たちは薬において大体の化学物質は合成する技術はありますが
一体どういうものを作れば
いいのか?というが分からず
それは自然を頼りにするしかないです。

あ、過去記事の質問で
水ですら大量に一気に飲むと死に至るみたいな話を書いていて
どうやって死ぬの?みたいな質問がありましたが
水中毒で脳が腫れて、呼吸をコントロール出来なくなるというのが
普通に考えられる死に方だと思います。

それでついでに書きますと
毒って大体、呼吸毒と神経毒が主だったものです。

生徒でも誤解している人が多いですが
呼吸毒というのは呼吸自体を妨げるのではなく
ヘモグロビンの鉄と結合してしまうんです。
身体に取り込まれた酸素は、この鉄と結合して
身体の中を運ばれるんですが
鉄自体に先客ができるんです。
それで酸素が、細胞に行かなくなってしまういます。
それがあかんと…いう。

神経毒はざっくりいうと
神経細胞の情報伝達を妨げて内臓や筋肉の働きをおかしくします。
妨げ方は主に二通りあって
フグ毒(テトロドトキシン)やトリカブト(アコニチン)は
神経細胞のチャネルの開閉に異常を起こします。
サリンとかVXガスでは
神経伝達物質を送る時に神経細胞が興奮するんですが
その興奮を元に戻さないといけないのですが
その元に戻す分解酵素をおかしくします。
で、サリンの解毒剤はなにかと言えば
その樹状突起にくっついて伝達物質自体の結合を
止めればいいので
これも毒物のアトロピンというものが使われます。
毒をもって毒を制す。
とはまさにこのことです。

受験でもそんな作戦はありますよ
E判定をもってE判定を制す、みたいな。
そんなのないか(笑)

全く関係ない話ですが
去年、コロナ関係で
次亜塩素酸ナトリウムが流行ったので
平衡の問題で出るかも…
とか色々対策をしています。
市販で買ってきた次亜塩素酸のpH測ったら大体10前後ですね。
10前後ということはClOマイナスが主に存在するはずです。
じゃあどうやったら洗浄殺菌効果上げられるか?
というのは
禁断の酸性に寄せる
酸性と言っても,授業で計算しましたがpH5〜6くらいです。
それがギリ。そこで
HClOが中心になって最強になります。
でも、これ以上行くと塩素が沢山発生して…自分がさよならなので
混ぜるな!危険なのです。
ですから次亜塩素酸の近くに、酸は結構リスキーだと思われます。
ガチガチの酸性にしなくても
殺菌効果アップということは…(^◇^;)なので。
ただ次亜塩素酸って
20度より高くなるとどんどん分解が進むので
夏だったら
外で撒いたら効果もなければ、害もないかも…
どうなんだろう。
状況次第濃度次第ですが。
そういう化学的考察というのは出来ます。
保管する時は20度以下…って正月そうそう何を書いてるんでしょうか?(笑)

真面目に働きます!
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コメント 5

美女

ヤキイモっていう貝があるんですね
(爆笑)
でも
毒だらけで食べられないんですね。
でも、毒から薬が作られるなんて
本当に面白いです。
また、この系のお話
お願いします
by 美女 (2021-01-02 00:36) 

お名前(必須)

読めた!
ブッチー
路上に焼き芋屋さんが
いたから
この記事書いたんでしょ?

by お名前(必須) (2021-01-02 06:59) 

物理屋hν

せ、正解(^◇^;)
エスパーか?

書くことなくてね…
by 物理屋hν (2021-01-02 07:01) 

ロンドン

ブッチーさん
流石に
朝四時
極寒でしょ

身体に気をつけてね
徹夜徹夜で
コロナもあるし
by ロンドン (2021-01-02 08:22) 

文学部教員

物理屋さん
みたいに
戦えるものがあるのは
確かにキツイでしょうが
幸せなことだと思います。
物理屋さんがゲームだというのも
分かります。
人生、ゲームですからね
by 文学部教員 (2021-01-02 08:23) 

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