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ノーベル物理学賞日本人三人受賞! [科学ネタ]

昨日
日本人三名
赤崎、天野、中村氏が
青色LED開発によってノーベル物理学賞を
受賞しました[ぴかぴか(新しい)]

青色LEDについては
スマホやら信号やら…
身の回りに溢れかえっているので
皆さんも御存知のことと思いますので
私があらためて説明することもないかもしれませんが
簡単に書いておきたいと思います。
ちょうど昨日
生徒の雑談で話した内容とほぼ同じですので
昨日の生徒には同じ話で申し訳ありません。
まあ、私のブログは見てないかもしれませんが(笑)

半導体にはp型とn型があります。
p型というのはpositiveのことで正孔がキャリアになり
n型というのはnegativeのことで電子がキャリアになります。
例えばp型半導体というのはどういう仕組みかといいますと
ケイ素の結晶の中にガリウムのような物質を混ぜるんです。
ケイ素は周期表で14族で価電子が4個なのですが
ガリウムは13族なので価電子が3個なんです。
そうするとガリウムが入っているところだけ価電子が足りません。
穴があいているようなものなんです。
その空いた穴を隣のケイ素が補うように電子で埋めます。
そうすると今度はそのケイ素の価電子が三個になり穴が一つできてしまいます。
その穴を埋めるために更に隣のケイ素から……と繰り返すことによって
電流が少し流れる。
びみょ~に流れるものを半分導体、つまり半導体といいます。

今、気軽にガリウムの例を書いてしまいましたが
実はガリウムで初めて成功させて青色LEDの足がかりを作ったのが
赤崎、天野氏です。
それまでは同じ13族のホウ素やアルミニウムで作られていたんです。
私はp型半導体を生徒に教えるときについ気軽にガリウムの例を
言ってしまいますが、そんなに気楽なものではありませんし
ノーベル賞まで取ったので今度からは敬意を払いながら
お話します(笑)

赤崎氏は当時、窒素ガリウムでp型半導体を作るのは
理論上不可能であると様々な論文で証明されていたにも関わらず
ここが職人気質の日本人らしいのですが
極限まで綺麗な結晶をつくればできるのではないかと思い
「不可能」に対する挑戦を始めたのでした。
サファイアの基盤の上に1000度ほどの気化した窒化ガリウムを
吹きかけるのですが
これは合わないブロックを積むようなもので
奇跡的な偶然と技術がないと上手く接合できません。
この方法で赤崎さんは何回か成功を収めたのですが
とても皆ができるようなものではなく
小保方さんのように自分だけができるスタップ細胞の作り方(笑)
のようなものなのです。
そこで皆ができるようなもっと簡単な方法として
サファイア基盤と窒化ガリウムの間に緩衝材、バッファーを
入れることを思いついたんです。
バッファーには同じ13族の窒化アルミニウムを選びました。
その実験を通常の半分の温度500度でやるよう
赤崎教授が頼んだのが、今回共同受賞された天野氏です。
ところが当初大学院生だった天野氏は
こんな500度程度の温度で結晶なんかできるわけない
と思っていて難色を示し
なかなか指示通りの実験はしませんでした。
ず~っと無視です(笑)
ところがある日
電気炉が故障し、偶然高温にならなくなり
赤崎氏が言っていたように500度でうまくいき
偶然成功したんです[ぴかぴか(新しい)]
まあ偶然といいますか…
ちゃんと言われた通り実験しろ、という話なんですが…
それでタナボタのように天野氏も共同受賞
色々考えはあると思いますが
私はこの経緯を知っていたので正直、????と思いましたが(笑)

中村氏は赤崎氏が考えた方法を
より実用的なレベルに引き上げました。
普通は物理学賞の対象になるのは
赤崎氏だけだと思いますが
まあ
仲良く三人そろって受賞です。

しかし、それなら
山中教授がiPSで受賞したときに
実験の中核を担いと根幹となるアイデアを思いついた
高橋和利さんも同時受賞にすべきではなかったかと
私は不思議に思うのです。
山中教授もそう思っておられると思います。
天野氏の貢献よりははるかに大きな貢献だと思うのですが…

こういう線引きが曖昧で
その割に無駄に権威があるところが
ノーベル賞の私が嫌いな部分です。

まあ
おめでたいことなので愚痴を書いても仕方がない
ですが…

ノーベル賞は死んだ人はもらえませんので
一番の功労者赤崎教授が85歳で御存命のうちに
受賞されたことは何より良かったと思います。

それではまた[手(パー)]

(オマケ)
史上最悪の論文ねつ造事件と言われている
ヘンドリック・シェーンの事件がありました。
シェーンは嘘をついてnature、science等に何度も論文を載せ
時代の寵児、天才と呼ばれたのですが
その手法は赤崎氏が考えたバッファーを入れるのと
まるで同じような方法で高温で超伝導物質ができるというものでした。
しかも、その技術は難解なためシェーンにしかできないという
最近日本で聞いたことがある
~さんにしかできない実験シリーズのねつ造です。
本人ができたというんだから、できたんだろうということです。
今回受賞した三人の偉大なところは
そのような科学的な知識を
だれでも作れるところまで実用化したということです。
そのおかげで世の中便利になりました。
誰誰にしかできないというではどうしようもありません。



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コメント 2

赤崎 勇

ありがとう。君のブログを陰ながら応援しているよ。偉大な物理学者になるんだよ。
by 赤崎 勇 (2014-10-08 08:08) 

まいける

誰々だから東大受かったではなく、誰でも東大に受からせる、という(語弊があるかもしれませんが)再現性のある指導を物理屋さんは目指していらっしゃる、ということを思い出しました。

by まいける (2014-10-08 21:37) 

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