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過剰演出は必要か [家庭教師のお仕事]

最近、自分の指導方法について
悩んでいることがあります。
それは
授業の「過剰演出」についてです。

私は元来
過剰演出が嫌いです。
ですから予備校講師には向いていません。
芸能人のように振る舞い
授業と関係ない演出や雑談等で
人気を博して
生徒を獲得していく。
その為なら、サングラスをかけたり
リーゼントで髪を固めたり
奇抜な格好や言動をする。
そういう商業主義的な教育に大きな疑問を感じていました。
予備校は生徒を獲得するために
そのようなことを講師に求めてきますし
それに応えられなければ
どんなにいい授業をしていても首になるのが
この業界です。
商売なので当たり前と言えば当たり前のことなのですが
私にはどうしても小さいもの過剰に大きく見せるような
ことができません。
そこで個人で家庭教師をやった節もあるんです。

私は以前最近のテレビは泣き過ぎるから嫌いだ。
泣き要員タレントも嫌いだし
嘘の涙は不快感すら感じると言うことを書きましたが
これが
「褒める」ということにも当て嵌まります。

私は嘘をついて必要以上に
生徒を褒めることが好きではありません。
それはもし自分が生徒だとしたら
何でも褒めちぎるような先生や大人がいたら
絶対にその人のことを信じないからです。
その人が何を本当に褒めているのか
疑心暗鬼になります。
現在の教育の主流は
褒めるということ非常に日常化しています。
そういう研修も行われます。
アメリカ人のようです。

例えば
点数の悪い生徒がいても
必ず褒める点を見つけてやるということです。
字が綺麗だとか
最近、表情がしまってきたとか
問題を解く順番がいいとか
この問題は考え方はいいとか
欠点や問題点は指摘せず
とにかくいい点を見つけて褒めてやる。
それによって生徒がやる気になる、というのです。

私はよくできた部分については当然褒めますが
欠点、問題点もいいますし
特に褒める点がない結果に対して
無理やり褒める点を探すようなことはしたことがありません。
それはひとえに自分がそういう風にされたら嫌だからです。

また、生徒にどこが問題点かを徹底的に指摘して
そこを直すことによって確実に学力をあげていく
やる気はもともとある生徒を対象に授業をしていますので
それでいいと思っていました。

しかし!!!!
最近、ふと思うのです。
これを自分の尺度だけで判断したらまずいのではないかと。
つまり
私は私の時代の教育を受けてきたわけで
最近のゆとり世代の生徒は
常に褒められて褒められて
何のことか分からない個性を伸ばす教育を
受けてきたわけです。
そんな教育を受けてきた生徒からすれば
私はあまりにも褒めなさすぎ
もっというと
無愛想な嫌なおじさんに映っていないかと思うのです。

それによって
まだやる気が出ていない生徒もいるのではないか?
と最近考え始めるようになりました。

嘘でも過剰演出でもいいから
生徒をその気にさせるくらい褒めちぎって
やっていった方が
現代風なのかもしれません。
勿論、生徒の性格を把握しないと
こういう褒めちぎり作戦は大失敗に終わると思いますが
私は今まで褒める数が少なすぎたのではないか?
そう
最近思うのです。
今後家庭教師を続けていくに当たって
本当にどうしていけばいいか迷っています。

褒めるということは
難しくて
数回同じ褒め方をすると
それに慣れてしまい
そのレベルの褒め方では満足できなくなってしまう
可能性もあります。
そうすると更に上のレベルで褒めなくてはならず
半年もしないうちに
皆「君は天才、宇宙レベルの逸材だ!」というところまで
辿りついてしまうような気がするのです。

まあ
そうはならないように
絶妙のタイミングで
絶妙の褒め方をすればいいのでしょうが
なんか
それは私には無理な気がします。
そういう意味で私は教育者には成り切れていないのだと思います。

う~ん……
どうしたらいいか
難しいです…



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キョンシー

物理屋さんほど能力のある方はこの業界にいません!ですから、物理屋さんの存在自体が唯一無二なので、特に営業トークをしたり、無駄に褒めたりする必要はないと思います。実は…私はなるべく褒めるようにはしていますが…
正直言って
この業界は差別化による生徒の奪い合いですので
顧客である生徒が気分良くできることが至上命題でもあります。
しかし、物理屋さんはこの業界にいること自体が差別化なので、そのようなことは気にしなくていいと思います。有名塾や個人指導の場合、社員がそれらを担っていますので、どうしても必要な場合は人を雇えばいいと思います。
by キョンシー (2014-09-24 06:23) 

大学教員

物理屋さんの気持ちはよくわかります。私のような無名私大で働くものも授業以外に、高校を回ったり、営業活動をさせられます。いかにうちの大学が楽しくて魅力的な遊園地か、宣伝して回ります。本当に嫌になります。でも少子化で定員割れする大学が私大の五割、仕方ないと思ってやっとります。
by 大学教員 (2014-09-24 06:32) 

まいける

いつどのタイミングで褒めることが、その生徒にとって効果的か、で変わって来ますよね、なんて釈迦に説法ですね(^-^;
僕も仕事中は雑談はほとんどしないですが、たまに「雑談」をして相手のパフォーマンスが上がるならそれもありかなと思ったりもします。

でもやっぱり自分はいわゆる意図のない「雑談」はしたくないので、しません。無理やり褒めることもしません。

二度ない人生、残された時間の使い方=命の使い方、なので納得のいく時間の使い方をしたいなぁと思います。

以前、範を垂れるのが教育者。
と書かれていましたが、高みを目指す、という姿勢にお世辞やおべんちゃらは不要ではないでしょうか。
by まいける (2014-09-25 00:15) 

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