滑り込みセーフ?No2 [雑感]
前回お話した続きです。
私は滑り込みセーフおばさんとの
接触を避けるため
おばさんの縄張り車両(一番前の車両)から
必ず一つか二つ車両をずらして
電車に乗ることにしていました。
本当はもっと離れた車両に乗りたいのですが、
私の下車する駅の改札の位置の都合上
あまり離れ過ぎると乗り換えに時間がかかり過ぎるのです。
もしかしたら、ギリギリおばさんの姿が見えるところにいたい
という怖いもの見たさ、の気持ちも少しはあったかもしれません。
相変わらず、滑り込みセーフおばさんが
今日も黒いバックを投げています。
同じ車両に毎回いる人も何人かいて
その人たちは、おばさんなど無視して
音楽を聴いたり、読書をしたりしています。
やはり初めてそのおばさんの縄張りに
足を踏み入れた乗客は
誰もが皆、唖然としています
小さな子供は
「あの、おばさん、忍者?」
などという命知らずなことを言い
母親が慌ててたしなめています。
滑り込みセーフおばさんに
出会ってからおそらく半年後の夏の日
ある事件が起こりました。
滑り込みセーフおばさんが
いつものように、席を確保し
満足げな顔でいると……
(このころになると、おばさんの両隣は
誰もが近付きたくないのか半席分スペースが空き
7人がけの席に6人しか座れていません。)
そこにある駅から
一人のおばちゃんが乗ってきました。
あのひょう柄のシャツ………
あれは大阪のおばちゃんに違いありません
やはり、案の定
大阪人らしく、電車の中で大阪弁で
いろんな人に話しかけていました。
話しかけながら、豹柄おばちゃんは空席を探していました。
そ、そこで、
豹柄おばちゃんは立ち止ったのです
滑り込みセーフおばさんの前で
き、気付かないでくれ~
7人席に6人しか座ってないことに~
そんな思いもむなしく
大阪のおばちゃんは
大きな声で数え始めました
死へのカウントダウン
「1人、2人、……、6人」
その指は滑り込みセーフおばさん
のところで止まりました。
「あれ、やっぱり6人や、
ここは7人席やから詰めてもらいます?」
ご、ごもっとも
でも相手が悪すぎる~
頼むから何も起きないでくれ~
と私は心の中で念じました。
でもそんな思いもむなしく
戦いの火ぶたは切られたのです
「何で私がどかなきゃいけないの?
他をあたって頂戴」
ニヤ~二本欠けた前歯を見せながら
滑り込みセーフおばさんは、私が体験した恐怖の笑顔を浮かべました。
普通の人ならここで失神しています。
そんなことにひるまないのが
大阪のおばちゃん
「なにが私の席やて~、
この電車は指定席売ってまんのか?」
一車両隣にいる私まで普通に聞こえる
くらいの大声です。
「私の取った席だから私のよ」
滑り込みセーフおばさんがあごを突き出して言いました。
周りの人も恐怖に圧倒されたのか
なぜかうんうん頷いてしまっています。
「何訳分からんこといっとるねん、
黙ってずれんかい!」
つ、ついに
豹柄おばちゃんは強硬手段に出ました。
半席しか空いてない席に
お尻をぐいぐいとねじ込み始めました。
「何するのよ」
滑り込みセーフおばさんがついに
豹柄に掴みかかりました。
胸の豹柄が引っ張られて
笑った顔のようになっています。
笑っている場合ではない
つ、ついに、つかみ合いのバトルがはじまりました
さすがに周りのお客さんも止めに入ります。
人だかりが出来ていて、
詳しいバトルの内容はわかりませんが
おばさん同士の怒号が飛び交っていました。
そして…
隣の駅に着いたところで
駅員がなだれ込んできました。
ほーっ、誰もが安堵のため息をつきました。
と、ところが、駅員を押しのけてまで二人のバトルは続いたのです。
やがて、おばさん達のスタミナが尽きたのか
二人は駅員に取り押さえられ、
ギャーギャー叫びながら連れていかれました。
なんとこの事件で10分も電車が遅れました。
なんとも言いようのないけだるさが
漂う車内に
「先程、〇〇駅付近でお客様どうしのトラブルが
発生し、只今この電車は10分ほど遅れて運転しています。
お客様に大変ご迷惑をお掛けしたことをお詫びいたします。」
と、いうアナウンスが他人事のように響き渡りました。
私はしばらく放心状態のままでした。
知らぬ間に電車は目的地に着き
駅に降りてから、深呼吸をし、
次に伺うお宅に、電車が遅れたので
10分ほど遅れる旨を電話で伝えました
そしていつも通り足早に次の授業に向かいました
背中にびっしょりと汗をかいて
私は滑り込みセーフおばさんとの
接触を避けるため
おばさんの縄張り車両(一番前の車両)から
必ず一つか二つ車両をずらして
電車に乗ることにしていました。
本当はもっと離れた車両に乗りたいのですが、
私の下車する駅の改札の位置の都合上
あまり離れ過ぎると乗り換えに時間がかかり過ぎるのです。
もしかしたら、ギリギリおばさんの姿が見えるところにいたい
という怖いもの見たさ、の気持ちも少しはあったかもしれません。
相変わらず、滑り込みセーフおばさんが
今日も黒いバックを投げています。
同じ車両に毎回いる人も何人かいて
その人たちは、おばさんなど無視して
音楽を聴いたり、読書をしたりしています。
やはり初めてそのおばさんの縄張りに
足を踏み入れた乗客は
誰もが皆、唖然としています
小さな子供は
「あの、おばさん、忍者?」
などという命知らずなことを言い
母親が慌ててたしなめています。
滑り込みセーフおばさんに
出会ってからおそらく半年後の夏の日
ある事件が起こりました。
滑り込みセーフおばさんが
いつものように、席を確保し
満足げな顔でいると……
(このころになると、おばさんの両隣は
誰もが近付きたくないのか半席分スペースが空き
7人がけの席に6人しか座れていません。)
そこにある駅から
一人のおばちゃんが乗ってきました。
あのひょう柄のシャツ………
あれは大阪のおばちゃんに違いありません
やはり、案の定
大阪人らしく、電車の中で大阪弁で
いろんな人に話しかけていました。
話しかけながら、豹柄おばちゃんは空席を探していました。
そ、そこで、
豹柄おばちゃんは立ち止ったのです
滑り込みセーフおばさんの前で
き、気付かないでくれ~
7人席に6人しか座ってないことに~
そんな思いもむなしく
大阪のおばちゃんは
大きな声で数え始めました
死へのカウントダウン
「1人、2人、……、6人」
その指は滑り込みセーフおばさん
のところで止まりました。
「あれ、やっぱり6人や、
ここは7人席やから詰めてもらいます?」
ご、ごもっとも
でも相手が悪すぎる~
頼むから何も起きないでくれ~
と私は心の中で念じました。
でもそんな思いもむなしく
戦いの火ぶたは切られたのです
「何で私がどかなきゃいけないの?
他をあたって頂戴」
ニヤ~二本欠けた前歯を見せながら
滑り込みセーフおばさんは、私が体験した恐怖の笑顔を浮かべました。
普通の人ならここで失神しています。
そんなことにひるまないのが
大阪のおばちゃん
「なにが私の席やて~、
この電車は指定席売ってまんのか?」
一車両隣にいる私まで普通に聞こえる
くらいの大声です。
「私の取った席だから私のよ」
滑り込みセーフおばさんがあごを突き出して言いました。
周りの人も恐怖に圧倒されたのか
なぜかうんうん頷いてしまっています。
「何訳分からんこといっとるねん、
黙ってずれんかい!」
つ、ついに
豹柄おばちゃんは強硬手段に出ました。
半席しか空いてない席に
お尻をぐいぐいとねじ込み始めました。
「何するのよ」
滑り込みセーフおばさんがついに
豹柄に掴みかかりました。
胸の豹柄が引っ張られて
笑った顔のようになっています。
笑っている場合ではない
つ、ついに、つかみ合いのバトルがはじまりました
さすがに周りのお客さんも止めに入ります。
人だかりが出来ていて、
詳しいバトルの内容はわかりませんが
おばさん同士の怒号が飛び交っていました。
そして…
隣の駅に着いたところで
駅員がなだれ込んできました。
ほーっ、誰もが安堵のため息をつきました。
と、ところが、駅員を押しのけてまで二人のバトルは続いたのです。
やがて、おばさん達のスタミナが尽きたのか
二人は駅員に取り押さえられ、
ギャーギャー叫びながら連れていかれました。
なんとこの事件で10分も電車が遅れました。
なんとも言いようのないけだるさが
漂う車内に
「先程、〇〇駅付近でお客様どうしのトラブルが
発生し、只今この電車は10分ほど遅れて運転しています。
お客様に大変ご迷惑をお掛けしたことをお詫びいたします。」
と、いうアナウンスが他人事のように響き渡りました。
私はしばらく放心状態のままでした。
知らぬ間に電車は目的地に着き
駅に降りてから、深呼吸をし、
次に伺うお宅に、電車が遅れたので
10分ほど遅れる旨を電話で伝えました
そしていつも通り足早に次の授業に向かいました
背中にびっしょりと汗をかいて
2009-03-28 00:02
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