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記述力アップ [受験勉強高校入試]

今回の内容は一応高校受験向けで書いていますが、
それ以外の方にも有用だと思います。

中学生になると作文など文書を書く機会が増えます。
私も授業中に生徒から、文章が書けない、という質問を受けるので、
今回はこのことに関して、ごく初歩的な技術だけ説明します。
もう少し発展的な内容は授業でお話しています。
(別に企業秘密ではありません(笑)、細かくと膨大な量と時間に
なってしまうのです。)

まず、一口に「書けない」と言いますが、
生徒の「書けない」状態を冷静に見てみると
「何を書けばいいのか」と「どう書けばいいのか」が混在して
「書けない」状態になっている人がほとんどです。
今回はこの状況を打破する為に、
どうしたら文章が少しでも書きやすくなるかについて
書いてみたいと思います。

ここでいう文章は感想文ではなく、小論文に
近い文章です。私のブログのような軽い会話形式のものでは
なく、学校で宿題にでるような文章のことです。

自分の考えを読む人に納得してもらえるように説明することが
この種の文章では最重要事項です。
一気に上記の文章を書くのは難しいので一つ一つ要素に分けて
説明していきます。

まずは自分の考えを短文で書いてみましょう。
この短文は「AはBである」という形式でなるべく簡単に書いてみてください。

例えば、「家庭教師の仕事は大変である。」とします。

この時に「家庭教師の仕事は、他のどんな仕事に比べても大変な仕事である。」
のように修飾語などを使い過ぎると論点がぼやけるのでなるべく単純にしてください。
上の例だと「他の仕事と比べて大変」という点に論点を持っていくか、
「家庭教師の仕事の大変さ」を書いていくのか、など自分の書きたい内容を自分で
難しくしてしまいます。ですから、なるべくシンプルに書いてみてください。

次に納得してもらえるように理由を書きます。
これもまずは単純に。
例えば「生徒一人一人の人生がかかっているからである。」
    「自分が移動して授業をしなければならないからである。」
のように「考え」の理由を書いてみてください。
これは、思いつくだけ書いてみてください。
理由が多ければ多いほど長い文章になります。
ただ、最初ですので一つか二つの理由を選んでください。
(長い文章の場合は、理由をどの順番で並べていくか、それぞれ相互の関係
について配慮しなければなりません。)

ここで、文と文章について軽く書いておきます。
文章は当たり前ですが一つ一つの「文」から成り立っています。
文章を書くというのは、
一つ一つの文に役割を与えて、全体として文章になるように構成する
ということです。
先程の例でいえば、「家庭教師の仕事は大変である。」が「考え」
            「生徒一人一人の人生がかかっているからである。」
            「自分が移動して授業をしなければならないからである。」が「理由」という
役割を与えたわけです。

ここで注意がありますが、最初のうちは
「1つの文に与える役割は1つ」の方がいいです。
文章は文というピースでジグソーパズルを作るようなものです。
1つ1つのピースの形が複雑だと組み立てるのが大変になってしまい、
いきなり挫折します。1つの文章に様々な要素を入れて、それを紡ぎあげていくのは
プロの技です。そういう技術は評論文を読むとかなり勉強になります。

そして、次の段階として「理由」を読者に納得させられるように
「説明」します。
この説明ですが、「考え」を説明するよりも、
「理由」を説明していった方がはるかに書きやすいです。
しかも、その方が話が膨らみ、自分の中に新しいアイデアが
生まれるという副産物も期待されます。

この説明の技術は簡単に言うと次の二つです。
①実例をあげる
②理由を更に詳しく言い直す

①については具体例なので書きやすいでしょう。
ただ、しっかりと「理由」の具体例になっていなければなりません。
「具体例」を書かせると、余計なことまで書いてしまう
生徒が結構います。

②については「理由」について他の視点から見直してみるのが
いいと思います。家庭教師の例でいえば
「自分が移動して授業をしなければならないからである。」
普通の集団授業では~とか
自分で移動するということは
生徒の移動時間が少なくてすむ
生徒の移動時間が少なくなれば、その時間を自宅学習に充てられる…など
視点を変えると、譲歩構文がのための譲歩部分が見つかったり、
新しい書く内容が見つかったりします。

文書を書き始める前にこのような「考え」「理由」「説明」を
どんどんメモすると、学校や試験で課題がでても、簡単に文書がけるようになります。
後は文章の構成を考えれば2000字(原稿用紙5枚)くらいなら、すぐに文章になります。
このような力が付いてきたら、後は自分の書く内容、用途、文字数に合わせて
いろいろカスタマイズすればいいだけです。

(オマケ)
このようなメモを思いついた時にしておくことは
非常に有用です。メモから、どんどん他の思考に移っていくことも可能です。
また、文章の組み立てを学ぶには実際の評論文を読んだり、
評論の入試問題を解けばいいと思います。
実は、このように文章の組み立てを意識して書く練習をすれば
入試問題の評論文を解く力も自然に身につくのです。
「速読について」の私のブログでも書きましたが
読書の方法は用途によって変えなければなりません。
そこでも主張しましたが、高校生くらいまでは、
丁寧に文章の構成や表現を意識して勉強しながら読み
それを自分の書く文章に活かすトレーニングをしなければいけません。
ですから、高校までの読書に速読は不要なのです。
内容把握だけでは、その文章の内容しか吸収できません。
そうではなくて、筆者がどのような議論の方法で自分の主張をしよう
としているのか、語句の使い方など、一度の読書でなるべく多くのことを
吸収して欲しいです。そうすれば、国語の入試問題などそれほど特別な
学習をしなくてもできるようになるのです。

自由に書く力がついてから、沢山の本の内容を把握しなければならなくなってから
速読のトレーニングをすればいいと思います。
もっとも、しっかり書ける力がついている頃には、自然に速く読めるように
なってしまっていると思いますが。
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