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免疫の働き方 [雑感]

ふふふ…どうやら近いうちに
パソコンが送られてきます。
Heaven から

B細胞って何?という質問が…6件
そもそも免疫の働き方くらい書けが…2件

まあ、簡単に書きます。
パソコンがくるんで(笑)
ブログがガラホだと短文しか書けないんです。
iPadちゃんが壊れたら大変ですし
いざという時のリモートなんちゃらに…

簡単でも長いんです( ̄◇ ̄;)
どこかで嫌気がさしたらごめんなさい。
インフルエンザ関連と絡めて書きますかね…実際は
少し喋りますが。

病原体が侵入します
自然免疫系が働きます
それでも無理なら
獲得免疫系が
働きます。
ワクチンを接種すると自然免疫系
と獲得免疫系が刺激されて
臨戦態勢に入ります。
無論、他の病原体に対する反応は変化なし、です。

自然免疫系=警察
獲得免疫系=軍隊
だと思ってください。
その前にも物理的バリア、化学的バリアがありますが。
(略)
とりあえずそれを乗り越えて
侵入してきた病原体がいるとします。
そうすると、
食細胞による細胞バリアの出番です。
警察出動!
食細胞は侵入してきた病原体を取り込み
殺菌しようとするとともに
周囲の細胞に対する警報となる
「炎症性サイトカイン」とよばれる可溶性のタンパク質を作ります。
サイトカインは命令書です。
他の細胞の持ってるサイトカイン受容体に到達すると
その命令を受けて警察が動くのです。
インター何とかです。
因みにインターポールの銭形警部とは関係ありません(笑)
インターロイキン-6とかそういうやつです。
抗ウイルス性のものは1型インターフェロンとか…
サイトカイン全体で数十種見つかっています。
無論、正常時にはほとんど作られてないです。

さっきいきなり書いてしまいましたが
この炎症性サイトカインを作るのが
「食細胞」何かと言いますと
樹状細胞、マクロファージ、好中球、単球…など
まあ
ワクチンに関連してるのは樹状細胞です。
樹状細胞は成熟すると食べる能力はダウンしますが
モグモグとウイルスを食べて分解して
軍隊に報告します
危険なやつらが侵入したーって
それがよく言われる
樹状細胞によるリンパ球への抗原提示
です。

そう、軍隊
これが獲得免疫系のリンパ球さん達です。
有名どころは
抗体を作るBリンパ球
Bリンパ球を助けるお助けマン
ヘルパーTリンパ球
感染細胞を殺すキラーTリンパ球です。
Bリンパ球が抗体を作り
キラーTリンパ球が感染細胞を殺します。
そうB→Tへ
これをブッチーBuTtyと覚えましょう(笑)

そして大事なことは
この過程では
軍隊→警察へ
つまり
獲得免疫系からの情報が
自然免疫系に伝えられて
アクセルやブレーキの強さが変わり
免疫反応全体の強さや持続期間が調節されるんです。
お前らやり過ぎるなよ、とか
酸素を使ったり色々負荷がかかりますのでね
一般人にまで危害を加えてもいけないですし。

ここで…異物を認識するセンサーが
警察と軍隊では全然違います…
(この話を始めると長くなるんだよなあ…)
自然免疫系は異物センサーという
ざっくりとしたレセプター…まあ
アンテナだと思ってください。
それで見ると
うん?
こいつは細菌
こいつはRNA ウイルス
こいつは…って
自然免疫系は判断します。
このアンテナ沢山あります。
TLR,CLR,NLR,RLR,cGAS…

異物センサーは細胞が破壊された時に
一部のタンパク質や脂肪酸を認識して
炎症性サイトカイン放出!ってなるんですが
困ったことにというか
面白いことにというか
病原体のような外部からの危険信号だけでなく
細胞が壊れたときに自分の細胞から放出される物質や
組織に沈着する物質までも
危険信号として感知して様々なことが
起こるようになるのです( ̄◇ ̄;)

私が警察に職務質問をよく受けるのもそのせいでしょうか?
でかいタンパク質の塊なので(笑)

あんまり細かく書くと怒られますが…
ここだけ我慢して欲しいのですが
この異物センサーが反応する相手
には大きく分けて2種類あります。
PAMPとDAMP
これは
カーモンベイビーアメリカ♪のDAPUMPさん関係ありますかね?
昔から思ってましたが(笑)
このグループ名は
自然免疫系の異物センサーに感知されたい
名前でしょうか?
そこまで有名になりたかったのか(笑)細胞レベルでねえ

話を戻します。
PAMP は英語の頭文字ですが
病原体自身の成分に特有の分子パターン
DAMP は細胞が壊れた時に
出る断末魔のような…分子パターンです。

それで以前書きましたが
インフルエンザの
不活化ワクチンとかはウイルスが
お亡くなりになってて
効果がイマイチなので
アジュバントが入ってると言う話を書きました。
(ワクチンの免疫の強さを増強する物質)

アジュバントとしてpopularなのは
アルミニウム塩です。
アルミニウム塩は、白血球に働いてDNAを放出させます。
それがDAMPとして働き、異物センサーを刺激。
炎症性サイトカインが生成!ってなります。
あ、そうだ
アジュバントの中にはそれ自身がPAMPのものもあります。
実験的に用いられる結核菌の菌体成分等。

結局
ワクチンにアジュバントが入っていると
PAMPとDAMPの両方の刺激が生体に加わるために
副反応としての炎症反応が強くなります。

これは危険だからやめろっていう意見もあるみたいですが…
お医者さんによっては。

私は、アジュバントがなければ
そもそもインフルエンザワクチンは打ちたくないです。
効き目が弱すぎて。
ある程度の強めの刺激でないとそもそもワクチンの意味がないので。

さて、次に獲得免疫系のセンサーについてです。
これは
抗原レセプターと言って
それはそれは感度のいいアンテナです、さすが軍隊!
インフルエンザかコロナか?
みたいなレベルではなくて
インフルエンザの細かい種類まで分かっちゃいます( ・∇・)
T-cellもB-cell も。
ここでscaleを正確に理解して戴けるように数字を出します。
まずこの抗原レセプターというのは分かってるだけで数十万種あります。
しかし、一個のリンパ球が発現するレセプターは一種類です。
一個のリンパ球がスーパー雲丹みたいに
数万本のレセプターを発現してるんです。
一種類…
全然足りない気がしますが(笑)ご安心を。
リンパ球の数がめちゃ多くて
めちゃくちゃ種類があって
全体でこの数十万種に対応してるんです。

無論これは進化の過程でそうなったのですが
混乱は起きないのか?という疑問があるかと思いますが
まず起きません。仮に100種類同時に病原体が
入ってきても個々に対応できるんです。
ですからインフルエンザワクチンを打ったから
他の免疫が混乱するとか
数種のワクチンを同時に打ったからと言って
免疫系全体の数字からいうと
そんなんで混乱なんて起きるわけがないのです。
起きてたら、今その人はその場で生きてないです(笑)

そうだ…抗原と抗体って
何?みたいな質問がくるな( ̄◇ ̄;)
私もコメント民の人と付き合いが長いので
分かります。そう、それなら
ググってください(笑)
なーんて

まあ、簡単に言いますと
抗原は我らが免疫系のターゲットです。
あ、これは一対一ではないです。
一つの病原体の表面には多数の抗原があります。
この病原体が体に入りますと
「通常」抗体ができます。
抗体は免疫グロブリンというタンパク質で抗原から作られます。


あと何を言えば良いんでしょう
そうそう
風邪って治るのに数日かかりますよね
それは抗原が初めて入ってきてから
対応する十分な抗体を作るまでに
数日かかるからです。
これを一次応答と言います。
ところが、2度め
2度めに入ってきた時は
「あ、あいつだ!」
と立ち上がりが早く反応が強い
それで、初期に一気にぶっ潰しますので
病原体が増える間も無く全滅
それで病気になりません。

これを人工的にやるのがワクチンです。
ワクチンは複数回接種しますと
メモリーリンパ球というのが増えます
美しい思い出も悲しい思い出も(笑)

思い出には長いものも
儚いものもあります。

インフルエンザワクチンの有効率は34%で
持続期間は大体4カ月です。
儚い思い出に今年も浸ってください。

疲れたのでおしまいでーす
nice!(2)  コメント(8) 

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コメント 8

みつき

ブッチーさんって
逆センス高し!
インターポールのための
警察のたとえね(笑)
DA PUMP
めちゃくちゃ笑った!
by みつき (2020-11-14 10:55) 

謹慎徳井

ブッチーさん
インフルエンザはいいんだけど
麻疹とかなんで長く免疫は記憶できるの?
by 謹慎徳井 (2020-11-14 10:56) 

物理屋hν

( ̄◇ ̄;)免疫の長期記憶…長いです、書くのも。
うーんと、B細胞が活性化されるとプラズマ細胞というのに分化して抗体を作るんです。このプラズマ細胞、通常短命なのですが、非常に長寿なものも見つかっていて(20年以上生きる)人だと腸管とか脊髄にありますが
それを麻疹なんかではうまく誘導できてるみたいです。
この長寿プラズマ細胞を人工的に導ける方法とかが見つかると、いいんですけどねえ
by 物理屋hν (2020-11-14 11:03) 

忠犬チビマル

ブッチー
インフルの有効率っ何日経つと
0%かワン?
ネットで書いてないワン!
by 忠犬チビマル (2020-11-14 11:33) 

物理屋hν

何かの論文で読んだ気がする…
確か150日ちょっと
グラフの形で覚えてる
それで計算するとそんなもん
by 物理屋hν (2020-11-14 11:35) 

物理屋hν

あ、チビマルごめん
ワクチンの話だよ
実際にインフルエンザにかかった人の免疫は
もっと長く大丈夫
by 物理屋hν (2020-11-14 11:37) 

小学五年生豊

リウマチはなんで起こるんですか?
by 小学五年生豊 (2020-11-14 11:44) 

物理屋hν

本文にも書きましたが
自己と非自己の区別って結構曖昧で
間違えてリンパ球が自分の体を攻撃する危険性があって
その安全装置みたいな細胞やシステムがあるんだけど
それが効かなくなると自分を攻撃し始めて
リウマチとかSLE とかシェーグレン症候群になったりします。ガンの中には、ガンの免疫を抑制する、このブレーキのシステムを利用するものがあることが分かってきました。がんはすごいです、がんで死ねたら本望なり。
by 物理屋hν (2020-11-14 11:49) 

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