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入試問題に見る英語国際化の影響 [雑感]

本やテレビ等を見て
結構勘違いされているなあ
と思うのが
英語が国際言語になって
習うのが大変だということです。

現実は全くその逆です。
言語が国際化され、多くの人に話されれば話されるほど
いい加減な使われ方が広まり
言語は単純化の方向に向かいます。

面白いことに入試でもその傾向はあります。
例えば今年の早稲田の英語を見てみれば
それはよくわかります。
早稲田の中では国際教養学部が英語を使うので
英語の入試問題の難易度が一番高いと一般的に思われがちですが
全く違います。
早稲田の英語は先進理工学部、社会科学部が一番難しいです。

国際的に使われる英語というのはかなり簡略化されています。
新聞や論文で使われている英語は
イギリスの小説に比べれば遥かに低いレベルです。
英語が国際化されていく中で明らかに文法はいい加減になってきていますし
それが認められる方向に進んでいます。
ひとつ例をあげれば
前置詞は一つ一つ覚えるのは大変なので省略される方向に進んでいます。
受験の世界でもspend on Ving のonは省略されるようになってきましたし
insistも同様です。dieについても病気などで死ぬ場合はdie of それ以外の
外的要因ではdie fromですが、最近は面倒なのでfromに統一されています。
be made ofとbe made fromも同様です。
更に口語では頻繁に期間を表すforは略されます。前置詞だけではなく名詞の
特別な複数形や単複同形、またshallの使い分けや助動詞の省略。
挙句の果てには自動詞と他動詞の混用も見られます。
英語は国際化で様々な国の人があまり勉強せずにいい加減に使い
それが国際標準化されることによって
ここ10年でもかなり変わってしまいました。

本国イギリスではしっかりと英語は学ばれ、それなりの水準を保っているのですが
どうしても人は楽な方、楽な方へなびいてしまいます。
言語が単純化されて何が悪いとおっしゃる方も多数いるとは思いますが
英語を国際語として使っていくならば
英語の文化に敬意を表してしっかりと文法事項も細かく学んでいくべきだと
私は思います。
日本も本来はそういう路線で英語を勉強してきましたが
今後、ただ単に国際語になって単純化された英語を使えればいいんだという
世界で主流の教育を日本が踏襲していくと思うとぞっとします。

私も職業柄教えることが多いのですが
英語の様々な検定試験でも
最近はそういう傾向が強く見られることに懸念を感じます。
単語の意味を沢山覚えて、聞けて話せれば言語能力が高いんだという
安直な検定内容に私は疑問を感じます。
小学校入試かと思ってしまいます。
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