塾について（その1）

私は自分の生徒や御父兄から（特に中学受験生からですが）
どのタイミングで塾に行けばいいか
相談されることが多くあります。
特に中学入試を対象に（高校入試も大学入試も一部同じことが言えます。）
今回は塾の利用方法等について書いてみたいと思います。

結論からいいますと中学入試において、
私が小学四年生以前からみている生徒で、
期待している生徒には決して塾に行くことは勧めません。

行くとしたら受験校の出題傾向が特殊な場合で、
しかも日曜特訓程度にとどめてもらいます。
理由の第一としては勿論
私のペースで授業をしていると
塾の内容はかなり遅れたものになり、塾に行くだけ時間の無駄
になるからです。

しかもそれにも増して塾には様々な負の側面があるからです。
実際、私が五年生か六年生で頼まれる小学生のほとんどが
この負の側面を痛いほど味わって、
塾をやめたいんですが…と相談してこられる方がほとんどです。
私も塾で教えてたことがあるので、本当に頷ける耳の痛い話ばかりです。
どのような負の側面があるのかをこのブログでは告白したいと思います。

（最短距離で合格できない）
志望校までに必要とされる、勉強量の科目間バランスは人それぞれです。
算数が苦手で、合格点に足りなければ
算数で合格点をとれるようにしなければなりません。
当然、算数の勉強量は他の科目よりも増やさなければなりません。

しかし、総合的な塾に通うと、この勉強の科目間バランスが崩れます。
そしてそれは必然的に非効率な勉強法になります。
大学入試のように単科があればいいのですが
中学受験や高校受験ではなかなか単科はありませんし
必要な科目だけ通わせてくれません。
しかも各科目、それぞれの科目の教師の都合で
バランスなど考えずに、宿題が沢山でます。
自分なりの弱点強化などなかなかできません。
自分の現在の力に合わせて合格までの最短距離を進むことが
困難になります。

（自分の力を客観的に判断できない）
昨日、模試の結果がいかにあてにならないかに
ついて書きましたが
自分の通っている塾の偏差値ほど、更にあてにならないものは
ありません。
特に中学受験の模試というのは圧倒的に内部生が有利になるように
作られています。
（もちろん高校受験でも大学受験でもそういう傾向はあります。）
某大手塾の模試など、テキストがあり
そこからその塾の全国模試の9割以上の問題が出題されます。
そのテキストを購入しない外部生には圧倒的に不利になります。
勿論このような状況下ででた偏差値など微塵もあてになりません。
ところが多くの方が数字の説得力でその偏差値を信じてしまうから困ります。
自分の塾の模試で志望校の合格率80％以上とでても
大幅に割り引いて考えないと大変なことになります。
私の経験上、自分の塾の模試で偏差値65でも実際は
偏差値55くらいだと思った方がいいです。
それだけ外部生はいろんな面で不利です。

ただ私は自分の生徒にこのような外部模試を受けさせるときは
敢えて何の対策もしませんし、テスト範囲も教えませんし
テキストの購入も積極的には薦めません。
そうすれば自分の力よりかなり低めの偏差値がでて
努力をし続けてくれるからです。
受験はマラソンレースです。
一時の偏差値の上昇に喜び
自分を見失ってしまうと合格できません。
実際に偏差値が低い子やご父兄の方が
私のアドバイスをしっかり聞いてくれます。
偏差値が下手に高くでると（それが先程書いた全く当てにならない
自分の塾の模試でも）
努力がどうしても甘くなりますし
私のアドバイスも耳では聞いてくれますが
心から聞いてはくれません。

模試の偏差値が高かろうが低かろうが
本番までしっかり努力し続けなければいけないことに
何の変わりもないのです。
ですから油断しないためにも
低めの偏差値がでる外部受験の方がいいです。
その方が私も指導していきやすい
つまり合格させやすいのです。

ただ生徒も人間なのであまり低い偏差値が続くと
本当はそんなことはないのに
精神的に参ってしまう場合があります。

その時は大変困るのですが
泣く泣く対策やテキスト購入を薦めて
偏差値が一回でも高く出るようにします。
でも、これは本当にやりたくない
生徒も父兄も精神的に参っているときだけの最終手段です。

精神的に問題がなければそんなことはしませんし
しない方がいいに決まっています。
本番では有利不利がなく受験をするわけですから。

それではなぜこのような内部生有利の模試を
塾は作るのでしょうか？

長くなりましたのでこの続きはまた近いうちに書きます。

（オマケ）
実はこのブログはあと二倍くらいの長さがあり
一時間半をかけて書いたのですが
私の操作ミスと
このブログの融通の利かない機能によって跡形もなく
消えてしまいました。
このブログはそれから
新たに書きなおしたものです。
残りも日にちを変えて書きたいと思います。
今日は祝日ですので
また例によって朝から晩まで授業があります。
体力的にバテ気味ですが
1日1日を大切に頑張りたいと思います。