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整数問題解答 [受験勉強大学入試]

整数問題のごく初歩的な戦略というのは三つあります。
①約数に着目する。(掛け算の形にする)
②不等式で範囲を絞る
③余りで分類する
です。
この三つの基本解法自体、
通常の高校数学のカリキュラムの中にはありませんから
整数問題に関してはやはり専用の対策が必要です。

今回の問題は①だけで解決します。
約数に着目というのは
例えばAとBが整数だとします。
もし、A×B=3ならば、これを満たすA,Bの組は
(A,B)=(1,3)(3,1)(-1,-3)(-3,-1)の4通りになりこれが答えになります。

このように掛け算=整数と直せばこのパターンの問題は
解決をします。
ただ、一般的にA,Bの組を全部探して解くのは手間がかかるので
様々な工夫を凝らします。
例えばA,Bの大小関係を調べます。
Aの方がBより大きいことが分かれば先程の答えは
(A,B)=(3,1)(-1,-3)の二通りで済むわけです。
他にも偶奇性に着目すると上手くいくことがあります。

img013.jpg今回の解法はうえで述べた方法のままやれば解けます。まず掛算の形にするために、因数分解をしてA×B=整数の形にします。そして全部調べるのは大変なので、大小関係を確認し、両方とも正であることを確認しました。そうすると正解の候補は4通りになります。後はそれを一つずつチェックすればいいのです。















今回の問題は整数問題のスタートと呼べる基本問題です。
受験生で整数問題が必要だという方は早めに対策をたてた
方がいいと思います。
また、整数問題は微分積分のような特別な知識が必要ないので
小学生にも勉強できます。
一般の数学に興味のある方も、整数問題は学びやすいのでお勧めです。

整数問題の不思議なところは、多くの人が取り組みやすいにも
関わらず、数学の中で最難問だというところです。
現在解かれていない有名な難問も多くが整数問題です。
昨日私はガウスの「整数問題は数学の女王である」という言葉を引用しましたが
整数問題は、一見付き合いやすそうな女性なのですが
付き合いだすと一生を台無しにするかもしれない悪女でもあるのです。
また、逆にそうだからこそ整数問題は多くの人を虜にするのです。

ワイルズが1993年に解いた有名なフェルマーの最終定理は
なんと400年近く多くの数学者を悩ませ、虜にしたのです。
真っ当な数学者としての人生を送りたければ
整数問題の難問には手をだすな
というのが現在でも言われ続けていることです。

今年の大学入試は女王の魅力にとりつかれたのでしょうか?
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オーバル

先生には大学院入試でお世話になりました。先生の量子論の授業はオリジナリティと才能に溢れていて素晴らしかったです。私は数学科志望でしたが、先生の授業の噂を聞き思わず取ってしまいました。もう院試の授業はやっておられないことを友人から聞きました。残念です。今でも講座があればとりたいくらいの授業でした。
先生はどんな質問にも丁寧に答えて下さいました。量子論と全く関係がないのですが、私は先生にワイルズのフェルマーの最終定理の論文でわからない所を質問しました。それを的確に答えて頂き大変驚いたのが一番の思い出です。(世界で理解できた数学者は数十人といないと言われた難しい論文ですから)
これからも健康に気をつけて素晴らしい授業を続けてください。blogは面白いのでこちらもやめないでください!
by オーバル (2009-05-21 08:22) 

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