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高速動的現象を実時間で観察するための連続的な時間符号化増幅撮像 [科学ネタ]

今回もNatureから面白い最新の研究結果を紹介したいと思います。

最近テレビ等で高速CCD(charge-coupled devices)カメラが
頻繁に使われるようになりました。
プロ野球の超スロー再生や誰かの頬を叩くと顔面の皮膚がどのように
波打つかなど、CCDカメラから見えるあなたの知らない世界というような
特番までやっていました。
科学にも衝撃波や神経活動、マイクロ流体工学など
多方面に使われており、今や欠かせないtoolになっています。
今回カリフォルニア大学ロサンゼルス校から
この技術に関して従来の壁を越える画期的な方法が報告されました。

従来型のCCDと、これに対抗するCMOS(金属酸化物半導体素子)は
高い感度と分解能で高速の動的過程を捉えることができません。
これは理論的な限界ではなく、技術的な限界で
どうしてもセンターアレイからデータを読み出すのには時間がかかります。
また感度とフレームレートに折り合いをつけなければなりませんでした。
(フレームレートとは1秒間に何回画面を書き換えられるかでfpsという単位です。
簡単に言うと画像の滑らかさです。)
感度を上げればフレームレートが落ち
フレームレートを上げれば感度が落ちるのです。
これは高いフレームレートには各フレーム中に数個の光子しか集められないからです。
このような問題はほとんど全ての光学撮像に問題になることです。
しかし、今回の論文ではこのような限界を打破して
従来のCCDより少なくとも1000倍速いフレームレートが得られる
画期的な撮像方法が報告されています。

その方法とは、二次元の画像を連続的な時間ドメイン(領域)のデータストリームへ写し
同時に光ドメインでこの画像を増幅する方法です。
二次元画像全体は単一ピクセルの光検出器を使って捉え
正味の画像としては25dbを達成します。
(ピクセルとは二次元画像を表す際の最少単位の正方形のことです。
例えるなら、おにぎりでいうと米一粒です。因みに三次元画像では
ボクセルと言います。)
この方法では冷却や高強度の光照射に頼らずに、
感度とフレームレートとの間の妥協を考えなくてもよい
という点が非常に素晴らしいです。
論文では実際に様々な実験結果を上げてこの方法を実証しています。

それにしても最近の画像技術の進展には目覚ましいものがあります。
面白いか否かの是非は別として3Dの映画が配信されたりするなど
驚きの連続ですね[ぴかぴか(新しい)]
この分野は結構面白い[わーい(嬉しい顔)]のでこれからも何か新しい発見があったら
紹介したいと思います。


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