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ニワトリが先か卵が先か [雑感]

夏休みになると小学生が夏期講習や何やらに
行ってきて
新しく習った豆知識のようなものを聞かされます。
新しく習ったこと、感動したこと、びっくりしたことを
人に話したくなる気持ちはわかりますし
小学生なら尚更です。
黙って私の授業に集中しろ
というのもどうかと思うので
必要最小限は大人の対応で聞くことにしています。

ただ…
その中で聞き捨てならない問題も多々あるんです。

「理科の先生が
ニワトリが先か卵が先か
という話はどっちが先かわからない
実に深い話だと言ってました~
確かに考えてみれば不思議ですよね。
遡っていったらニワトリ、その卵、ニワトリ、その卵……。
どうなるんでしょう?無限に続きます。
これは深い話ですよね~、先生!」

な~んて生徒に言われることがありますが
さあ
こうなると大変です[あせあせ(飛び散る汗)]
この生徒の誤りを正すべきかふ~んと聞き流す、もしくは
凄いね~と同調するか
私はいつも迷います。
迷いますが「ふ~ん」というような感じで対応することを
選択することにします。

この誤りを正した方が本当はいいのですが
それは生徒の感動を奪うことですし
しかも、説明しなければならない場合
私の授業時間が押します。
ですから、「ふ~ん、そうなんだ~」くらいに反応します。
まさか間違っている問題に
「先生もびっくりです!へえ~」と感動は示せません。
後々この生徒がこの問題の間違えに気づいたときに
昔のあの家庭教師物理屋は何を嘘言ってたんだ!
と思われかねないからです。

もし私に女子力があれば
嘘でも同調して感動を表すのですが(笑)

ただ「ふ~ん」という反応しめすと
当然生徒は不満そうな顔をします。
何でこの先生にはこの感動が伝わらないんだろうか?
と思っていると思うんです。
しかし、受験を控えていますし
教えることは沢山あります。
そこで泣く泣くスルーをして前に進むんです。
受験生でなければ多分説明します。
まあ、こんな悩みを抱くのも全てはその理科の先生が
いい加減なことを言うからなのですが…

世間的にも因果関係がわからない問題
もしくは水掛け論に対する例えとして
「これはニワトリが先か、卵が先か、という問題だよね」
なんて言われます。
英語でも「a question of which came first,the chicken or the egg」
と言うように世界的な問題です。

もうこれはやめたほうがいいと私は思います。
ニワトリが先か卵が先かは
はっきりしているからです。
当然、卵が先です。因果関係ははっきりしています。
私には何故この言葉が引用されるのかもわかりません。
多分、あまり考えずにこの言葉を多くの人が使っているのだと思います。

論理的につめていけば明らかです。
「ニワトリが先か卵が先か」
卵によって場合分けをします。
①卵が一般的な卵、という意味だった場合
これは当然卵が先になります。なぜならニワトリが現れる前に
爬虫類、魚類、両生類などの卵は沢山あったからです。
②卵はニワトリの卵とする場合
まずニワトリが何か?を定義する必要があります。
その定義に基づいたこの世で一番最初のニワトリ
first chickenを考えます。
書いていて思ったのですが、これはファーストキッチンという
ファストフード店に名前が似ていますね。
そこのチキンナゲットが中国産か否か知りませんが(笑)
話がそれました、戻します。
ここで「ニワトリの卵」というものがどういうものか
2通りの解釈ができます。
それは「first chickenが産んだ卵」
または「first chickenを産んだ卵」です。
これらは特に本文に限定されていないので和集合となり
両方の意味を含むことになります。
そうでないとニワトリ→卵→ニワトリ…と遡れません。
ということは「ニワトリを産んだ卵」というfirst eggも
文意に含まれているので当然卵が先なんです。
①、②より
いつでも卵が先です。
ですから「ニワトリが先か卵が先か」という問題は難問でも
不思議でもなんでもないのです。

ちょっと論理を離れて常識的に考えても
遡って行く時に、厳密に考えなければならないのは
ニワトリの定義だということに気がつきます。
どこからがニワトリなのかニワトリ第一号を決めるのは
私たちが便宜的に決めているだけで
その第一号の親も当然いて、それは私たちの定義の仕方によって
ニワトリと呼ばれないだけなんです。


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