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明らかに甘くなった英作文の採点 [英語学習]

最近様々な情報から驚くべきことが
わかってきました。
それは大学入試における英作文の採点が異様に甘く
なっていることです。
簡単に言うと文法的に合っていれば良く
ニュアンスの違いは問わない
というものです。

これは良くありません。
少しぐらいのニュアンスの違いや
諸説あるものには目をつぶるとしても
大きな間違いは減点すべきです。
私は普段英作文を採点していて思うのですが
これはいくらなんでもまずいだろうという例に出くわすことがよくあります。
そんな例を今日は書いてみたいと思います。
皆さんも参考にして気をつけて頂ければと思います。

話の焦点がずれると良くないので
例文は敢えて簡単なものにしてあります。

英訳せよ
「ゴルフは今や自然の破壊者とみなされている」
この例文を下のように訳す学生が結構います。
Golf is now thought of as the destroyer of nature.

この訳は確かに文法的には合っています。
しかし
いくらなんでも自然=natureはないです[もうやだ~(悲しい顔)]
ま、まさか
私が時々このブログの科学ネタで取り上げている
雑誌natureを「自然」という訳語だと思われている方は
おそらくいないと思いますが…
英語のnatureと日本語の自然はかなり違います。
「自然を破壊する」
という訳をdestroy natureと訳したら
大半のネイティブは驚くと思います。
ところが受験業界では結構この手の激しいニュアンスの
違いには目をつぶっています。
大半の問題集の解答の中には
ネイティブが笑える面白い答えが書いてあります。

natureというのはartの反意語です。
artというのは「人工的に人が作ったもの」という意味ですから
natureというのはイギリス、アメリカ人のキリスト教徒にとっては
「神がお創りになったもの」
私たち用に広く訳せば
「人間が手をつける前の状態」を表します。
ですから
destroy natureなんて書いた日には
「神が創ったこの世のすべてを破壊する」

いう意味になるのです[exclamation×2][がく~(落胆した顔)]
さすがに
これはゴルフに申し訳ないと思います。
そこまでゴルフは悪くはありません(笑)
それでは
日本語の「自然破壊」というのはどのように訳せばいいのか
というとthe destruction of the environment
となります。
私たちが日本語でイメージする自然とは
私たちを取り巻くもの
という意味です。
ですからthe environmentになるのが普通です。

最初のゴルフを巨悪にした例を直して今日は終わりたいと思います。
また、授業で気付いたこのような例を書いていきたいと思います。
Golf is now thought of as something that is harmful to the
environment.
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NO NAME

>destroy natureなんて書いた日には
「神が創ったこの世のすべてを破壊する」

いう意味になるのです

The natural world’s benefits to our cognition and health will be irrelevant if we continue to destroy the nature around us, but that destruction is assured without a human reconnection to nature.

イギリスの大手日刊紙The Guardianより
http://www.theguardian.com/commentisfree/2014/feb/13/10-reasons-why-we-need-more-contact-with-nature

by NO NAME (2015-12-16 21:10) 

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