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生徒がよく間違える文法 [英語学習]

今日は私が授業をしていて生徒が良く間違える文法に
ついて書いてみたいと思います。

to不定詞の否定のお話しです。
to不定詞の否定は語順がnot toになるということだけが
強調されすぎるために
つぎのような誤用が至る所で目につきます。

He listened attentively not to miss a single word.
彼はひと言も聞き洩らさないように注意深く聞いた

この文章の主役が学生なら真面目な生徒ですね~
しかし、この文章は間違えています。
「~しないために」という目的の内容が否定の場合は
単にnot toとしてはいけないんです。
不定詞の目的の否定を表すときは
in order not to~かso as not to~にしなくてはなりません。
勿論これ以外はnot toで大丈夫です。

これについて詳しく書いてあるのは
洋書になってしまいますが
Swanの Practical English Usageです。
興味のある方は参照してみてください。

in order toとso as toで思い出しましたが
学校では両方とも「ために」と習いますが
実は若干ニュアンスが違います。
in order toはまさしく「目的」でいいのですが
so as toは「目的+結果」というようなニュアンスになります。
ここまで細かく使い分ける必要はありませんが
文学を味わう際にはこの辺りのニュアンスの違いが
効いてきます。

今書いていて思い出しましたが
to不定詞のtoの品詞はなんですか?と聞かれることもよくあります。
それは文法書などにlook forward to ~ingや
be used to ~ingはtoが前置詞のために後ろを名詞にしなくては
ならないと書いてあるので
それじゃあto不定詞のtoの品詞は何?
ということで質問がくるのだと思います。

実はto不定詞のtoも前置詞なのです。
前置詞なら上記の例と同じようにtoの後は~ingで
原型がくるのはおかしいと思われるかも知れません。
これには歴史的経緯がありまして
to不定詞のtoは元々
in the direction of と書かれていました。
これが長すぎるのでtoと略記されるようなりました。
そしてof のあとは動詞の原型が「名詞扱い」で使われていたのです。
ですから
I want to play baseballのplayは元々名詞扱いで
今は後ろに目的語を取るので動詞の原型という扱いになっています。
ただto不定詞のtoは元々の名残で前置詞のままです。

そうすると最初の
look forward to ~ingや
be used to ~ingはtoが前置詞のために後ろを名詞にしなくては
ならないという説明の整合性が取れなくなりますが
そこは歴史的経緯もあるのであまりこだわらずに受け入れてください。
実は私も中学生に教えるときは
あまり細かいことを言っても覚えられなくなるので
上記のような説明方法を使ってしまっています[たらーっ(汗)]

言葉は生き物なのでどんどん変わっていきます。
特に英語は様々な外国人が自由に使っていくため
元の文法が崩れていってしまいます。
ただ、書き言葉としてしっかりとしたformalな英語を書けると
いうことは大切だと思います。
これは日本語に当て嵌めても同じことです。
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