SSブログ

日本の暫定規制値 [科学ネタ]

最近原発事故と相まってブログのネタも
家庭教師ブログとは呼べないような内容になって
しまっています。
そろそろ正常のブログに戻したいです。
そこで今日は最後に最近話題になっている
暫定規制値なるものについて説明してみたいと思います。
テレビなどを見ていると結構間違えて報道している場合があります。
あまり細かく考えると余計に混乱すると思いますので
簡単に説明します。

まず放射線の問題の大前提として
世界中で年間100msv(ミリシーベルト)以下の被曝によって
健康被害が出たケースというのは報告されていません。
ですからこれを基準に
欧米では基準値が設けられています。
それは半分の50msvです。
半分ならかなり安全だと思いますよね。
計算を間違えたり誤差が生じたりしても100msvには遠いです。
それでは日本の暫定基準値なるものはどれくらいだと思いますか?
牛乳や野菜や水が基準値を超える値の放射線の値がでて
出荷停止にまでになっています。

なんと日本の暫定基準値は5msvなのです!!!
これは欧米の10分の1の値です[がく~(落胆した顔)]
日本人はかなり心配症です。
健康被害がでる恐れがある100msvの5%なんです!
消費税分に達したら駄目ということです。
これは明らかに極端すぎます。
農家の方が可愛そうです。
最近やっと暫定基準値を見直そうという動きがでていますが…
もう被害はすでに甚大です。
今の暫定基準値だと10倍を超えたものがでて始めて
欧米や世界的な基準を超えたことになるのです。
ただ気をつけて頂きたいのは年間100msvだからといって
一度に100msvを浴びた場合と
コツコツ少しずつ総量が100msvを浴びた場合とでは違うわけです。
ですから、その総量に達するスピードにもよるので
健康被害が出ていないのは短い時間で浴びた場合なので
実際は100msvよりもっと高くまで大丈夫です。
そのこともあって現場の作業員の基準は総量で250msvに
改められたのです。

ここからは私の憶測ですが
アメリカに輸出した茨城県産の野菜が港で止められたという
ことが先日ありました。
しかし、おかしいことにアメリカは放射線量を計って高かったから
輸入を拒否したわけではなく
わざと放射線量は計らずに「どにかく駄目」だということで
港で止めたわけです。
私はおそらく放射線を計ったら都合の悪い結果がでるのは明らか
だから計らなかったのだと思います。
日本の野菜は日本の放射線の基準値の二倍くらいしか
せいぜい越えていないのです。
アメリカの基準値は日本の10倍ですので
普通に放射線検査をしたら日本の野菜は全然基準を超えていないので
輸入せざるを得なくなります。
さらにアメリカで出回っている野菜にはおそらく日本の基準値の5倍を超えた
野菜など平気で出回ってます。それでも勿論アメリカの基準値の半分なので
なんの問題もないわけですが…
日本の野菜は危ない危ないと世界中で言っているのに
自分の国ではそれ以上の放射線量の野菜が平気で出回っているようだと
世論が黙っていないからです。

これはあくまでも推測ですが
日本からきた野菜を放射線検査もしないで拒否するのは明らかにおかしいですよね。
これにはきっとなにか理由があると思います。

とにかく
欧米の基準値の半分、つまり今の暫定基準値の五倍くらいにして
も何の問題もないので基準値をしっかり世界基準で定めるべきだと思います。
それでないと日本の農業、酪農は本当に駄目になると思います。
nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 2

あら?

外部被爆と内部被爆をごっちゃに考えてませんか?害は桁違いに違いますよ。
by あら? (2011-03-28 17:15) 

物理屋hν

ご指摘ありがとうございます。確かに内部被曝と外部被曝は分けて考えなければいけないと思います(前の記事にも書いておいたのですが)
ただ内部被曝の効果については人体実験をやるわけにもいきませんし、正確な効果はわかっておりません。いくつかの数学的モデルによる解析の元に評価をしていて、その値も非常に大げさ(つまり大きくでるように数学的な近似をしています)です。以前は最大許容濃度という値がICRPで使われていましたが、現在は年摂取限度(ALI)が使われていて日本の様々な基準はこれもとに作られています。この値の出し方を簡単にまとめますと、体内に取りいれられた放射線核種が摂取された場合にそれを単一器官に摂取されたものと仮定し、更にその線量は全てその器官に閉じ込められたものとし、50年という期間を設定し
毎年その量を取り続けたとしても、蓄積していった放射線(もちろん放射壊変も考慮されています)がその最大値を超えないように設定されています。
勿論、これだけでは不十分でICRPでは放射性物質の種類や化学形、隣接する器官への照射も考慮されています。
が…しかし、この値の正確さというのは甚だ疑問です。
内部被曝に関して言えば
生物学的作用には当然カオス的な部分も含まれており
数学的な評価に本来向いていないのとともに
統計的データさえ評価が難しい点が沢山あります。
また、放射性物質といっても種類によってかなり効果は異なりますし、複合的に取り込まれた場合など
よくわからない点が非常に多すぎます。
ですからそもそも絶対安全、絶対危険というのはないのだと思います。
そこで私の主張としましては、あまり細かい部分は気にし過ぎても仕方がないということです。
勿論現場や非常に近くに住んでい人は一度に大量に被曝すれば危険なことは明らかですので注意は必要ですが。
自然に浴びる放射線、口に入る放射線は沢山あります。
そもそも危険は0%にはなりえないのです。
さらに
科学的な根拠もあいまいな基準値に関して
しかも、長期的に基準を超え続け、それを摂取し続けているわけではないので、そんなに気にする必要はないと私は思います。勿論、それが精神的に気になる人がいれば
その方は摂取を控えるなりすればいいという話だと思います。しっかり細かくモニタリングをして、長い間数値が高いところには対応をしていくという姿勢でこれからもいいと思います。いたずらに不安を煽ったり、風評被害がでて、震災後の復興に向けて頑張っていかなければならない時期に社会が混乱する方がずっと被害は大きいと私は思います。そういった不安要素をなくすためにも少しでも早く原発から放射性物質の出る量を減らしてもらいたいですね。

by 物理屋hν (2011-04-03 11:17) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0