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強誘電体における幾何学的フラストレーションその1 [科学ネタ]

natureの論文から興味深いものをご紹介致します。
(アーカンソー大学によるものです)
物理学に興味をもたれていない一般の方々にもなるべく
わかりやすく書きたいと思います。
わかりやすく書くために数回に分けて説明したいと思います。
興味のない方にとっては退屈かも知れませんが
お付き合い頂ければ幸いです。

今日は磁石について書きたいと思います。
皆さんは普段磁石を色々な生活の場面で使っていると思います。
冷蔵庫に貼りつけるマグネットやピップエレキバンなどもそうです。
小さい頃私も疑問に思っていたのですが
同じ鉄なのにあるものは永久磁石として働くのに
あるものはただの鉄
この違いはいったい何なのでしょうか?
実はこの磁性を持つか持たないかはスピンというものが
関係してきます。
わかりやすく二つの矢印で表現してみます。
二つの矢印は↑↑のように向きが揃っているか
反対向き↑↓かのどちらかが考えられます。
実はこのスピンの向きによって物質が磁性を持つか否かが決まります。
隣り合うスピンが同一の方向を向いて整列して
全体として大きな磁気モーメントを持つと
強磁性体といって皆さんご存じの磁石になります。
この物質は外部磁場が無くても自発磁化を持つことが出来ます。
ただ
室温で強磁性を示す単体の物質は少なく、
鉄、コバルト、ニッケル、ガドリニウムくらいです。

それに対して
バラバラに↑↑と↑↓が含まれているのが
常磁性体でそこらじゅうにある物質です。
常磁性体は普通の物質で磁場をかけたときだけ
ちょっと磁性をもつものです。
怖い体育の先生がピーと笛をふくと
皆さんがすっと整列するような感じで
綺麗に整列しないと俗に言う磁石にはなりません。
この強磁性を持つか常磁性を持つかは温度にも依存します。
その転移温度をキュリー温度と言います。

またこれから取り上げていく反強磁性というのは全部↑↓の
バラバラの状態で隣り合うスピンがそれぞれ反対方向を向いて整列し
全体として磁気モーメントを持たない物質のことです。
金属イオンの半数ずつのスピンが互いに逆方向となるため反強磁性を示すんです。
この反磁性が
この論文を理解するためには非常に重要です。

今日のまとめは
物質には
強磁性体、常磁性体、反磁性体があります。
強磁性体は磁石で、↑↑が集まったもの
常磁性体は普通の物質で↑↑と↑↓がバラバラに入ったもの
反磁性体は↑↓が集まったもの
です。
それではまた次回話を進めていきます。




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