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平均余命について [科学ネタ]

最近100歳を超えるお年寄りが
実はずっと前になくなっていた
ということが次々と判明しています。

日本の平均寿命は私の記憶によると
女性が85歳、男性が79歳くらいですが
この発覚によって大幅に平均寿命は下がるのでしょうか?
実はそうでもないのです。
平均寿命という言葉から
1 年間に亡くなった方の死亡時の年齢の平均
と考える方が多いのですが
平均寿命とはそのような単純な平均で求められているものではありません。

実は私も厚生省のサイトで調べるまでは
単に平均して計算しているのかと思っていました。
ただ、これは感覚的にかなりおかしいと思っていました。
なくなった平均を単純に85歳とすると
仮に一人の方が50歳で亡くなった場合に
平均を85歳にするためにはこの一人に対して
90歳の人が7人もいないと平均は85歳にはなりません[がく~(落胆した顔)]
実際はもっと早く亡くなる方もいるわけですし
いくらお年寄りが多いからと言ってさすがにこの計算で85歳になることは
ないなあと漠然と思っていたんです。

同じようなことを思っていた方も結構いるのではないか
と思って今回は平均余命の計算方法の概略を書いてみたいと思います。

まず平均寿命の定義なのですが
平均寿命とは、現在における死亡状況が今後変化しないと仮定したときに、今
後出生する人が何年生きられるかという期待値である
となっています。
また、先ほどから私は平均余命と書いていますが
平均寿命とは0歳の平均余命のことです。

平均余命をもとめる流れを簡単に書きます。
まず、各年齢別の生存率を出します。
例えば30歳が100人いて2人なくなっていたら98%になります。
勿論、年齢が高い方が生存率が低いです。
また若い年齢層の中では乳児が死亡率が高く
20代も自殺等の関係で若干高くなっています。
その凸凹を数学的な近似でうまくならします。
その表を元にして
仮に今0歳が10万人いるとして
何歳まで生きるかというシュミレーションをしたものを考えて平均余命を
各世代でだします。
数学的には積分で求めるわけですが
簡単にいうとそのグラフの
ある年齢までの死亡数の合計=ある年齢以降の生存数の合計
(数というのは語弊がありますが)
となる点が平均寿命になります。

この計算方法だと
若い世代の生存率がいかに高いかの方が お年寄りが沢山生存しているかよりも大きくきいてきます
(グラフが急に下がらず面積があまり増えないからです。
勿論それに加えて高齢者の生存率が高いことが条件ではありますが)
ですから、医療技術が進む等して
若い世代があまり死なない国が全体として平均寿命が高くなります。
これはある世代が突然多く死んだりした場合にも
単純に平均するよりははるかに影響が少なくなっています。

平均寿命は0歳の平均余命であることからも分かる通り
今、仮に0歳の人がいてその人が何歳まで
生きる可能性が高いかという数値であって
今生きている人の単純な平均寿命ではありません。

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