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ウナギが好きです [雑感]

私たちが食べるウナギは
大体が養殖のウナギですが
天然ウナギの生態って
最近まで全然わかっていなくて
今でも謎は沢山あります。

有名な話で
アリストテレスが
卵を持った親ウナギを
一生懸命探したんですが
どこにも見あたらず
最終的には泥から自然発生する
なんて結論づけたくらいなんです(笑)

ウナギは世界で19科見つかっておりますが
ウナギの仲間って穴子とかウツボではなく
深海魚みたいなんです。
でも深海魚の仲間なのにウナギは皮膚呼吸も
できますので、陸をそれなりに移動できますし
粘液でへばりついて90度の壁も登れちゃいます(^O^)/
不思議くんなんです。

ウナギは外洋で卵を生んで
様々な形、レプトセファルスとか、海流に乗りやすい
形になり、しらすウナギに変態して
ここから淡水魚に変わり
クロコになり、黄ウナギになる←ここまで10年です!!
そのあと私たちが美味しく頂く
銀ウナギになり
そこから海洋に戻って卵を産むんです。

日本ウナギの産卵場は
マリアナ諸島の100キロ西くらいと
推定されていますが
そこから日本まで3000キロ
ウナギは旅をしてくるんです。

興味のある方は勉強してみると面白いですが
ウナギ調査の中でも様々な科学的テクニックが使われています。
ウナギの耳石を調べると
木の年輪みたいな1日に一回り増える日輪があります。
その日輪と捕獲日から逆算して
孵化した日がわかったりします。
それで日本ウナギの産卵期が夏であることも
わかり、それが歴史上始めてのウナギの卵の
発見にも至ったわけです。
ウナギって卵から36時間でかえってしまうので
卵を見つけるのはすごく難しかったんです。
海は広大すぎますし…

海山をy軸に、塩分フロントをx軸に…
まず海山の西側の第2第3象限でしか
ウナギの幼魚、プレレプトセファルスは
見つかっていなくて…

ああ、塩分フロントというのは
赤道付近はスコールの影響で甘い水
北回帰線近辺は砂漠の出来る地域ですから
水分の蒸発が多く辛い水になります。
そのちょうど真ん中くらいに
甘い水と辛い水の境があるんです。
それが塩分フロントで、回遊してきた親ウナギは
その塩分フロントを越えて甘い水に入った時に
淡水を思い出して産卵するのではないか
という仮説があり、それなら塩分フロントよりも下の
第3第4象限で卵の産卵が行われてるのではないか
この2つを総合すると第3象限を夏に探せば
卵が見つかるのではないか!という仮説がたてられ
それが実証されたわけです。
その第3象限仮説を使って2009年に
初めて日本の研究チームが白鳳丸で卵を取りました。
船内ですぐに孵化したみたいです。

ここまでのお話natureにも
確か2011年くらいにも載りました

…と
随分真面目な話をしてきましたが

私は食べるの専門で(笑)
ウナギを食べるのが大好きなだけですが
色々貴重な背景を知ると
よりありがたく、美味しくいただけるのでは
ないかと思って記事にしました。
ウナギさん
いつもありがとうございまーす(^O^)/

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