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東大英語~少ない単語数で深く問う~ [英語学習]

東大の英語の問題というのは
私が受験生だったずっと前から
伝統的に
少ない語彙数で深い意味を問う。
もしくは前後関係、論理関係から類推させて
解かせるという問題が主流です。
例えば東大で英語の小説の問題がでたとします。
私は昔予備校で医学部英語を教えていたときに
著者が書いた原文と東大に使われた文章を照らし合せてみて
それで驚いたのですが
東大入試では著者オリジナルのまま文章を載せるのではなく
少しでも難しい単語があったらそれを平易に書き換えているんです[がく~(落胆した顔)]
しかも、それは一般的に言って難しい単語ではありません。
ここまでするのか…と思ったものです。
それくらい東大では語彙数は問われません。
非常に少ない語彙でも対応できます。
これは東大の国際化によって徐々に姿を変えようと
していますが、今のところ全体としてみれば変わっていません。

これには賛否両論あります。
弊害もあります。

意外だと思われるかも知れませんが
私は、英語は文法は簡単だが単語が多い言語なので
語彙は徹底的に増やすべきだと思っています。
ですから東大のように語彙数が少ない入試というのは
どうかと思います。

東大受験専門塾等に通う生徒を何人も教えたことがありますが
やはり語彙数が少なく、早慶レベルの英単語熟語
医学部レベルになると全く通用しません。
それに気付いたとき
焦って12月くらいから単語をいれ始めるんです。
東大に受かればいいのだから関係がない
と主張する生徒や塾もありますが
私はそれはどうかと思います。
でないからやらないという志の低さも気に入りません。

語彙数が少ない東大で何が起こるかというと
例えば英作文だと
日本語の内容を和文和訳して簡単な自分で知っている範囲の
単語で表せるように直してから英訳するのです。
確かに、そういう解釈力というのは必要です。
しかしその解釈が行き過ぎて平易に直し過ぎるのは
問題です。
それで出来上がる英文というのは
あからさまに外国人が書いた
稚拙な文章になってしまうのです。
減点されにくい簡単な構文、簡単な単語で
まあ解釈によってはそういう意味になるよね
という文章を書くのです。
私はこういう英作文を採点していると悲しくなります[もうやだ~(悲しい顔)]
日本語で書かれている和文は大人の文章、
難しい単語や表現が使われています。
その色といいましょうか、文体を勝手に変更して
小学生が書くような幼稚な英文に直して
意味的には同じことを表しているからそれでOKという風潮には疑問を感じます。
それは全て少ない語彙数で済ませようという浅はかな思想から始まっています。
まだ口語であれば許せます。しかし、書くとなると話は別です。
大学生になったらある程度大人の英文が書けてしかるべきだと思うのです。

簡単な日本語の例でいいますと
「すみません」という便利な日本語があります。
いこうと思えば「すみません」ひとことだけでも結構生活できます。
しかしそれは相手が好意的に解釈してくれて通じるというだけで
決して好ましい表現ではないんです。

受験生の皆さんには受ける大学に関係なく語彙はどんどん増やして
より豊かな英語表現を目指して欲しいです。

最後にオマケです。
散々語彙だ語彙だと言っておいて
こういう力も必要だという英文和訳の例を挙げておきたいと思います。
私の意図が伝わるでしょうか。
答えは明日くらいに書きます。和訳してみてください。

①He seems childish beside you.
②She knows what she is about.
③This paintigs is after the style of Picasso.
④We sailed due west.
⑤That is a tall story.
⑥Tom has a base mind.
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