飽和していく受験物理 [受験勉強大学入試]
ここ何年かで特に強く思うのが
そろそろ大學受験の物理の出題範囲、指導範囲を
増やしてもいいのではないか
ということです。
なぜなら
今の出題範囲では作れる問題が化学以上に限定されて
しまっているからです。
東大においても物理は全く難しくなく
是非選択をお勧めするくらいに簡単です。
ほとんどの入試問題が20世紀物理学や万有引力を出題せず
典型的な問題で少し状況を変えただけの問題になってしまっています。
もう物理の入試問題は限界が来ていると
毎年解いていて思います。
今の出題範囲では新しい問題が作れないんです。
「物理は暗記」だなどと言うサングラスをかけた先生が
一世を風靡してもおかしくない時代がくるくらい
重要問題の暗記で何とかなってしまうんです
今年でゆとり教育が終わります
科学はどんどん進んでいきます
それに合わせて必要とされる基礎的教養という
のも本来は増えていくはずなんです。
理系離れが叫ばれている中で、範囲を広げるのを躊躇する気持ちもわかりますが
物理の入試問題を作る側からするともう限界です。
似たような問題しか出せません。
今年の東大の物理もきっとあっという間に解けてしまう問題でしょう。
その分の時間をいかに化学に充てるか
などと世間では言われております。
確かにその簡単な物理でも東大の合格点は五割そこそこで
試験として十分に機能しているという意見もあり
それは正論なのだと思いますが
今のままでは、あまりにもバラエティがなさすぎます。
今年も見た瞬間、ああこれか…という問題が出てしまうんです
こんなこと
私が言うのも何ですが
教えていてもあまり面白くありません。
生徒と私の間に
「またこれか」
という空気が流れるからです
もし学校の授業時間の限界で新しい分野がいれにくいのならば
難関大学限定でもいいので
物理の出題範囲を広げて欲しいです。
その方が様々なことが自由に教えられますし
古典物理学にも役に立つことが十分にあることが示せます。
実は同じことは数学にも言えます。
新課程からまた複素数平面に戻ります。
私は行列世代。
行列→複素数平面→行列→複素数平面ときました。
振り返ると年をとったものです(笑)
この二つの分野は
大学で教える立場からいうと
絶対に二つとも高校で学んでいて欲しい分野です。
失くすなら初等幾何をなくすべきです。
初等幾何は中学までに目一杯やればOKです。
行列一次変換をしらないと線形代数習得が大変ですし
複素数平面を知らないとフーリエ級数等の習得が大変になります。
この二つは高校の間に馴染んでいた方が絶対に有利です。
確かにどちらも回転移動でダブル部分はあります。
しかし、入試問題でどちらの解法を選ぶか選択させるようにすれば
かなり面白い問題ができます。
ある時は複素数平面が有利だったり
ある時は行列の線形変換が有利だったりするわけです。
そういう問題を通して
互いの分野の得意不得意や限界がわかり
これは本質的な理解に繋がるのです
次の改定では是非両方入れて欲しいです。
そろそろ大學受験の物理の出題範囲、指導範囲を
増やしてもいいのではないか
ということです。
なぜなら
今の出題範囲では作れる問題が化学以上に限定されて
しまっているからです。
東大においても物理は全く難しくなく
是非選択をお勧めするくらいに簡単です。
ほとんどの入試問題が20世紀物理学や万有引力を出題せず
典型的な問題で少し状況を変えただけの問題になってしまっています。
もう物理の入試問題は限界が来ていると
毎年解いていて思います。
今の出題範囲では新しい問題が作れないんです。
「物理は暗記」だなどと言うサングラスをかけた先生が
一世を風靡してもおかしくない時代がくるくらい
重要問題の暗記で何とかなってしまうんです
今年でゆとり教育が終わります
科学はどんどん進んでいきます
それに合わせて必要とされる基礎的教養という
のも本来は増えていくはずなんです。
理系離れが叫ばれている中で、範囲を広げるのを躊躇する気持ちもわかりますが
物理の入試問題を作る側からするともう限界です。
似たような問題しか出せません。
今年の東大の物理もきっとあっという間に解けてしまう問題でしょう。
その分の時間をいかに化学に充てるか
などと世間では言われております。
確かにその簡単な物理でも東大の合格点は五割そこそこで
試験として十分に機能しているという意見もあり
それは正論なのだと思いますが
今のままでは、あまりにもバラエティがなさすぎます。
今年も見た瞬間、ああこれか…という問題が出てしまうんです
こんなこと
私が言うのも何ですが
教えていてもあまり面白くありません。
生徒と私の間に
「またこれか」
という空気が流れるからです
もし学校の授業時間の限界で新しい分野がいれにくいのならば
難関大学限定でもいいので
物理の出題範囲を広げて欲しいです。
その方が様々なことが自由に教えられますし
古典物理学にも役に立つことが十分にあることが示せます。
実は同じことは数学にも言えます。
新課程からまた複素数平面に戻ります。
私は行列世代。
行列→複素数平面→行列→複素数平面ときました。
振り返ると年をとったものです(笑)
この二つの分野は
大学で教える立場からいうと
絶対に二つとも高校で学んでいて欲しい分野です。
失くすなら初等幾何をなくすべきです。
初等幾何は中学までに目一杯やればOKです。
行列一次変換をしらないと線形代数習得が大変ですし
複素数平面を知らないとフーリエ級数等の習得が大変になります。
この二つは高校の間に馴染んでいた方が絶対に有利です。
確かにどちらも回転移動でダブル部分はあります。
しかし、入試問題でどちらの解法を選ぶか選択させるようにすれば
かなり面白い問題ができます。
ある時は複素数平面が有利だったり
ある時は行列の線形変換が有利だったりするわけです。
そういう問題を通して
互いの分野の得意不得意や限界がわかり
これは本質的な理解に繋がるのです
次の改定では是非両方入れて欲しいです。
2014-02-19 05:55
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コメント(3)
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本当に為になるブログだなあ。自分が受験生だったら是非先生に教わりたかった。こんな人が受験業界にいるのか、という感じ。逆に勿体ない気はするけど、生徒さんは羨ましい。頭のいい人と付き合っているだけで凄い刺激がある。その価値ははかり知れない。自分はハーバードに留学して本当にそれは実感した。
そういう刺激なしに今の会社は立ち上げてなかった。アメリカではノーベル賞をとった人の授業が普通に受けられる。
本物に出会うことが一番の教育だ。
by 起業家 (2014-02-19 08:04)
初めまして、ここを通りかかったhtsです。以後よろしくお願いします。
で私は複素数世代なんですよね。古い順から言うと
複素数→行列→行列→複素数→行列→複素数という感じで60年代から行ったり来たりしているんですよね。
ベクトルだけは常連ですけど。
ちなみに初等幾何は論理を養う上では重要かと。
現代化(80年代)から新学力観(90年代)まで30年間ずっとなかったのにゆとり(00年代)になって復活したのは論理を養おうという意図もあったかと。
むしろ消すならば確率統計。入試での扱いも軽いしこれはやらなくても何とかなるはず。必要ならば大学や会社で学べばいいだろうし。
by hts (2014-05-20 23:25)
後、高校数学の問題点を挙げると共通一次(現センター)導入以降文系と理系を切り離したということ。
昭和40年代までの一期校二期校時代はこんな区分はなかったはずで…。第一数学IIIは元々高校3年生向けの数学という意味だし(60年代の数IIIはまさしくそう)。
これが理系離れを進めている原因にもなっているわけで…(文系の方が明らかに負担が軽い状態に)。
この結果本来数学が必要な経済学部が文系扱いで数IIIをやんなくてもいいとか逆にそこまでやらなくていいであろう農学部が理系扱いで数IIIが必修とかおかしなことに…。
少なくとも経済学部の文系扱いは失敗だなあ…。
by hts (2014-05-22 03:14)