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ネイティヴスピーカーと英語 [英語学習]

私は職業柄ネイティヴで英語を話してきた人に
英作文等を教える機会があります。
そこでよくあるトラブルについて今日は書いてみたいと思います。

まず、前提としてネイティヴスピーカーの英語はそれほど
正しくは使われていないということがあります。
日本人は何だか不思議な民族で、ネイティヴならば
そちらが正しい、間違えはないはずだと考えてしまいます。
ですから、最近は本当に不思議な英語が書かれる事態となっています。
逆の立場で考えればこれは明らかにおかしい話です。
私たち日本人ネイティヴスピーカー1億2000万人の中で
どれだけ正しい日本語を使い、書けるかという話です。
おそらく20%程度だと思います。外国ではおそらくこれよりも数値が低いです。
更に英語はスラングや国によって用法が異なるため
それはそれは大変なことになっているわけです。アメリカ人とイギリス人でも
使っている言葉の意味が分かりあえずトラブルなることは頻繁にあります。
況や他をや、です。

私が授業をやっていて困るのは
英語を普通に使ってきた人に
この英語は日常普通に使ってきたし、何の問題もないと
ごり押しされることです。
そういうときは懇切丁寧に文法のお話をし、説明するのですが
外国の方はプライドが高い人が多く
最終的には、なんで日本人のお前に英語のことでいちゃもんつけらなきゃ
ならないんだ、と叱られます。

はあ~、私の仕事は大変な仕事です…。
まあ、そこまで言うならそれで書いてみてください、きっとバツにされますから
…ということになるんです。
普段使っているから正しいという、とんでもない論理をごり押ししてくるんです。
大阪人が大阪弁で作文を書き、減点されたらキレているようなものです。
標準用法から外れたものは駄目なのです。

例をあげましょう。
これは、もう何度も何度もトラブったので
私のような立場の人には「あるある」だと思いますが
ネイティヴの人は前置詞を省略します。
省略といえば聞こえはいいかもしれませんが
前置詞に関していい加減です。覚えていないんです。
まあ、話している分にはそれで相手に通じる
から構いませんが…。でも、この前置詞なし作文をどうどうと書かれ
それを普段使っているから正しいんだとごり押ししてくるのには困ります。

例をあげると
会話でもなんでも非常によく見られるのが以下の文章でforを省略することです。
勿論、正式には絶対に省略してはいけません。完了形の根幹にかかわる部分だからです。
I have been in Japan for three years.のforを省略し、これは正しいのだと言われたことが
何度もありますが、勿論これはバツです。shallを使うか使わないかもよくあるトラブルの
一つです。日本ではイギリスとアメリカの中間用法のような英語が使われていることによる
トラブルです。その影響なのかネイティヴではかなりよく使う表現が日本の教育界では
あまり使われていないということもあります。
He arrived 30 minutes after the fire broke out.のような表現です。

言語というのは厄介なもので
皆が使うか使わないかで時代によって変わってきます。
間違えた用法、語句でも皆が使えば標準用法なのです。
たとえば
本当は独擅場(どくせんじょう)というのが正しいのですが
これを誰かが独壇場(どくだんじょう)と誤記したことによって
間違った用法が世の中に出回ってしまい
後者の方が広がりました。そして今や独壇場と普通に使いますし
辞書にまで掲載されるようになったのです。
実は私自身も間違えていると知りながら独擅場というと
相手に通じないのではないかと思って
仕方なく独壇場といいます。小学校の国語にまで独壇場は普通にでてくるので
これはもうただの誤記ではなく、一般用法だということです。
英語でも同じようなことが起きているので
どこで線を引いていいか、どう教えるかというのは非常に難しいです。

まあ
どんなに時代が進んでも
期間のforは私は絶対省略しませんが。
前置詞は英語文化の根源だと思うので正しく使えるよう
一生懸命勉強すべきなのです。
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