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蛋白質の含有量 [科学ネタ]

昨日小学生の生徒から
家庭科の授業で食品中に蛋白質の含有量について
教えてもらったのですが
食べ物の中の蛋白質なんてどうやってはかるのですか?
切り刻んで分けるのですか?
という質問を受けました。
算数の授業で話が大きくそれてしまうので
「真っ当な大人になればわかる」と大人の対応をしてしまいました。
そんな真っ当な大人のための
蛋白質の含有量の測定方法について書いてみたいと思います。

蛋白質はアミノ酸からできていますのでNH2というアミノ基を含んでいます。
このアミノ基を測るために窒素の量を定量すれば良いのです。
単純蛋白質の中にはその種類によらず15~19%くらいの(平均で16%)
窒素が含まれていることが知られています。
そこで大学受験界では有名な「ケルダール窒素定量法」という方法で窒素の量を定量します。
具体的にはアミノ酸に強塩基を加えて加熱すると窒素はアンモニアという形で出てきます。
このアンモニアはこれまた大学受験必須の逆滴定という方法で定量できます。
それを窒素量に換算し先ほどの比を使って100/16をかければ
食品中の蛋白質の定量ができます。

さすがにこれは小学生には説明しづらいです[ふらふら]

補足として先ほど単純蛋白質と書きましたが
単純蛋白質というのは酸や酵素で加水分解したときに
αアミノ酸だけを生じるもので
(アルブミンやグロブリン、ケラチン、コラーゲンなどなど)
他の物質、たとえば脂質や糖、リン酸、色素、核酸なども生じるものは
複合蛋白質と言います。
有名なところでは牛乳に入っているカゼイン、血液中のヘモグロビンなどです。
この単純、複合以外にも
繊維状か球状かで分類する方法もあります。
球状は平たく言うと水に溶けるものが多いです。
(正確には親水コロイドになっているので水和しているわけではありません。)

私は生徒を受験で合格させるのが第一義としてありますので
大人の対応をしてしまいましたが
家庭科をきっかけに科学の勉強をしてみるのも面白いかもしれませんね。
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